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「AIワンクリック相談」に頼る若い抑うつ・不安の患者たち

「AIワンクリック相談」に頼る若い抑うつ・不安の患者たち

Posted June. 16, 2026 08:54,   

Updated June. 16, 2026 08:54


最近、家族や友人の代わりに人工知能(AI)に本音を打ち明ける若者が増えているという。京畿(キョンギ)研究院が昨年末に発表した報告書によると、1012人を対象にしたアンケートで、回答者の38%が「AIとメンタルヘルス相談をしたことがある」と答えた。特に15~19歳(55%)、20~29歳(46%)、月収300万ウォン未満(47%)など、年齢が若く所得が低いほどAI相談の利用が多かった。偏見への不安や費用負担が少ないことが、彼らがAIに共感や助言を求める理由だ。

AI相談には確かに利点がある。病院や相談機関を直接訪れなくても、悩みを抱えた時にはいつでもどこでも助言を求めることができる。午前2時に突然襲ってきた抑うつや不安を和らげてくれる友人にもなる。このとき、自分の置かれた状況や気分を文章として整理するだけでも症状が一時的に改善することがある。いわば「感情のごみ箱」効果だ。メンタルヘルスの専門家たちも、AIをうまく活用すれば、リスク群を早期に発見し、治療へのハードルを下げる効果があるとみている。

問題は、AIが人間の代わりになれると信じる時に生じる。最近、高麗(コリョ)大学安岩(アンアム)病院とKAISTの共同研究チームは、大韓神経精神医学会会員408人の臨床経験を分析した研究結果を発表した。結論は、「生成AIは利用状況と患者の脆弱性によって有益にも危険にもなり得る。人間の治療者を補助する手段としては有用だが、代替手段として受け入れるのは難しい」というものだった。

専門家らが最も懸念するのは、AIの対話メカニズムだ。AIには、利用者の意見や感情に過度に同調する「迎合傾向」があると指摘されている。利用者の気分に合わせるよう最適化されているため、誤った判断や感情にも共感し、同調する可能性が高いということだ。こうした共感や支持は当面の慰めにはなるかもしれないが、長期的にはゆがんだ妄想的信念を強化する結果を招く。米国などでは、AIがもともと精神的な問題を抱えていなかった利用者の妄想やうつ症状を悪化させ、自殺を誘発したとして提訴される事例も相次いでいる。

AIの「偽りの共感」に慣れた利用者は孤立に陥りやすい。家族や友人との日常的な関係が断たれ、読書や運動、瞑想などメンタルヘルスに役立つ活動からも遠ざかる。診察室では、AIの回答と比較して医師の処方を拒む患者も少なくないという。

AI自身もこうした倫理的問題を認識しているのだろうか。ジェミニに「AIの偽りの共感は人間にどのような危険をもたらすのか」と尋ねてみた。要約すると次のような答えだった。

「AIは構造的に『偽りの共感』を大量に生み出す危険性が最も高い存在です。AIは共感しているように見える文章構造を計算して出力しているにすぎません。これに慣れると、現実の複雑な人間関係を避け、自分に都合のよいAIの世界へ逃げ込む『情緒的孤立』が生じる可能性があります」

「AIワンクリック相談」だけでは心の奥深い傷を癒やすことはできない。AIの慰めは、疲れた心を一時的に和らげる「鎮痛剤」にすぎない。完治は本物の人間との関係を通じてのみ可能だ。家族や友人に心を開き、相談室の扉をたたく瞬間がその始まりだ。誰かに向けて「つらい」「助けてほしい」というサインを発しなければならない。