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誰と何を交渉すべきか見えぬ「黄色い封筒法」1カ月

誰と何を交渉すべきか見えぬ「黄色い封筒法」1カ月

Posted April. 10, 2026 09:00,   

Updated April. 10, 2026 09:00


いわゆる「黄色い封筒法」(労働組合および労働関係調整法第2・3条改正)が施行されて1カ月が過ぎ、懸念されていた副作用が現実となっている。元請け企業に対する下請け企業の労働組合の交渉要求は増え続け、複数の下請け労組が一つの元請け企業に対して個別に交渉を求める「分割交渉」も現実となった。数十、数百の下請け企業と取引する大企業の間では、どこまでを交渉相手とみなすべきか、何を交渉対象とするのかさえ見通せないとの声が上がっている。

先月10日の施行以降、987の下請け労組が368の元請け企業に交渉を求めたという。しかし、要求に応じて交渉事実を公告した31の事業所にとどまる。元請けを「実質的使用者」とみなす下請け労組と、それを否定する企業側との認識の隔たりは大きい。こうした中、使用者性を一次的に判断する労働委員会は、これまでの大半のケースで元請けを「実質的使用者」と認定し、交渉に応じるべきだとの結論を示している。

労使交渉における「交渉窓口一本化原則」の例外として「労組間の対立可能性」を施行令に盛り込んだ影響も広がっている。慶尚北道(キョンサンブクド)地方労働委員会は8日、民主労総全国金属労組(民主労総)と同全国プラント建設労組傘下の下請け労組が申請した交渉単位の分離を認めた。ポスコを両労組の「実質的使用者」と認定する一方、既存の韓国労総傘下の下請け労組とは別個に交渉できるようにしたものだ。これを受け、ポスコは、これら3労組に本社労組を加えた少なくとも4つの労組と交渉を行う必要が生じた。

こうした状況を受け、施行1カ月で韓国の労使関係の均衡が労働側に大きく傾いたとの評価が出ている。多数の下請け企業と取引する大企業は、労使関係により多くの時間とコストを割かざるを得ない。公共部門でも、下請け労働者について公企業や政府機関を実質的使用者とみなす判断が相次ぎ、労使対立が拡大している。

昨年、政府与党は同法の副作用を懸念する声が少なくなかったにもかかわらず、「労使対話を促進し対立を減らす」として立法を押し切った。だが現場で起きている事態を見る限り、この判断が現実とかけ離れていたことは明らかだ。社会的・経済的混乱が拡大する前に、政府は元請けと交渉できる下請け労組の範囲や条件、交渉可能な議題などについて明確な指針を再提示するなど、補完措置を急ぐべきだ。