トランプ米大統領は1日、イランとの戦争に関する国民向け演説で「この4週間で圧倒的な勝利を収めた」とし、「核心的な戦略目標が間もなく達成される」と述べた。その上で「今後2~3週間のうちにイランを石器時代へと逆戻りさせる」と主張した。イランが封鎖するホルムズ海峡については、中東産石油の輸入国に責任を転嫁し、「勇気を奮い立たせ、自力で石油を取りに行け」と促した。
開戦から33日目に行われた今回の演説は、トランプ氏にこの戦争の明確な目標と出口戦略があるのかという疑問を改めて提起させるものとなった。トランプ氏は地上軍投入への言及を避け、戦争を長期化させない意向を示したが、内容はこれまで繰り返してきた戦争の正当化と一方的勝利の主張の反復にとどまった。特に、早期終戦策の提示への期待とは裏腹に攻勢維持を明確にしたことで、国際原油価格は急騰し、アジア株式市場が相次いで下落するなど、市場は否定的に反応した。
トランプ氏の発言通りなら、今後2~3週間の強力な攻撃でイランの降伏を引き出すということだが、イランが屈服するかは不透明だ。米国はイラン軍事力の壊滅を主張するが、依然としてイランは湾岸諸国に対してミサイルやドローン攻撃を続けている。さらにホルムズ海峡を統制し、通航料徴収まで公言している。米国は「爆弾で交渉する」と言うが、歴史的に地上戦なしに爆撃だけで相手の戦意を挫いた例は多くない。
それゆえ今回の演説は、今後予想されるトランプ式の「セルフ終戦」の予告編とも読み取れる。トランプ氏であれば、イランとの合意やホルムズ海峡の開放がなくとも一方的勝利を宣言し、中東から米軍を撤退させ、「あとは知ったことではない」とする可能性があるからだ。今回も「多くの国に作戦への参加を要請したが応じなかったため、我々単独で行うしかなかった」とし、ホルムズ海峡の問題は中東産石油輸入国が自ら解決するよう注文した。
今後2~3週間はさらなる戦火の拡大と長期化の分岐点となり得る。交渉妥結の可能性が低い中、米国が突然「単独終戦」を宣言する可能性もある。戦争がどのように終結しようと、その混乱と不安は長く続くだろう。李在明(イ・ジェミョン)大統領が2日の国会演説で述べたように、今回の危機は一時的な通り雨ではなく、いつまで続くか先行きの見えない巨大な暴風雨だ。さらに韓国は中東発の経済危機だけでなく、同盟発の安全保障危機にも直面しかねない。トランプ氏は「我々は核戦力のすぐ隣の危険な状況に4万5千人の兵士を置いているのに…」と述べ、韓国に対しても不満を示した。中東産原油の輸入が多い中国や日本にも不満を吐露したが、韓国としては緊張を高め、万全の対応体制を整える必要がある。
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