
北朝鮮の朝鮮中央通信は26日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が軍需工場を訪れ、ミサイルや砲弾の生産能力拡大と軍需工業施設の現代化を指示したと報じた。正恩氏は、核兵器を搭載した戦略原子力潜水艦(SSBN)を公開したのに続き、軍事的動きを強めており、来年初めに予定される第9回党大会を前に韓半島の緊張を高めている。
正恩氏は主要な軍需工業企業所で、今年のミサイル・砲弾生産部門の実績と第4四半期の生産状況について報告を受け、総体的な生産能力を拡大するよう指示した。そのうえで、「戦争抑止力を高めるうえで、特にミサイルおよび砲弾の生産部門が最も重要な位置にある」とし、「第9回党大会が新たに提示する現代化および生産計画の目標を無条件に受け入れ、責任をもって貫徹できるよう徹底した準備を整える必要がある」と強調した。さらに、「わが軍隊のミサイルおよび砲兵戦力の展望的需要を満たすため、党大会が決定する新たな軍需工業企業所を計画どおり設立しなければならない」とも述べた。
北朝鮮は前日に続いて、正恩氏が視察した正確な時期や工場の所在地は明らかにしていない。ただ、公開された写真からは、火星(ファソン)系列(KN)ミサイルの生産工場や多連装ロケット(MLRS)240ミリ放射砲弾の生産工場と推定される。韓国を射程に収めるKN系列ミサイルと放射砲弾を同時に公開することで、韓国への脅威に加え、ウクライナ戦争を念頭にロシアへ砲弾を供与する可能性を示唆したとの見方が出ている。
一方、朝鮮中央通信は、2018、19年の南北首脳会談と2度の米朝首脳会談で儀典を担当したキム・チャンソン国務委員会部長が死去したと報じた。キム氏は正恩氏の執権後、最高指導者と家族の儀典を総括する書記室長を務め、正恩氏の「執事」とも呼ばれていた。
申나리 journari@donga.com






