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消えた「1000万映画」 来年は羅泓軫、柳昇完のブロックバスターに期待

消えた「1000万映画」 来年は羅泓軫、柳昇完のブロックバスターに期待

Posted December. 27, 2025 09:54,   

Updated December. 27, 2025 09:54


今年の韓国映画は、総じて存在感を示せなかった。外国映画が健闘し、年間累計観客数は1億人を超えたものの、「1000万映画」は1本も生まれなかった。韓国映画で観客動員500万人を突破した作品も、「ゾンビになった私の娘」1本にとどまった。

では2026年は、今年より雰囲気が持ち直すのだろうか。来年の公開作のうち、純製作費30億ウォン以上の中・大型韓国映画は、今年より5~6本増え、35本前後になると見込まれている。羅弘鎮(ナ・ホンジン)、柳昇完(リュ・スンワン)両監督が送り出すブロックバスターの成績にも関心が集まる。

●今年は低予算映画が健闘

実は今年も年初の見通しは、それほど悲観的ではなかった。奉俊昊(ポン・ジュンホ)、朴贊郁(パク・チャンウク)といった韓国を代表する監督の新作公開が予定されていたからだ。しかし2月公開の奉俊昊監督「ミッキー17」は累計観客数301万人余りにとどまり、損益分岐点を越えられなかった。9月公開の朴贊郁監督の「No Other Choice 仕方がない」も、海外での好評とは裏腹に、国内では294万人余りの動員に終わった。製作費312億ウォンを投じ、夏のテントポール作品(配給会社の年間ラインナップの中で最もヒットが見込まれる超大型作品)と目された「全知的な読者の視点から」も、推定損益分岐点の6分の1に当たる106万人にすぎなかった。

一方で、低予算作品から思わぬ成果が生まれた。9月公開のヨン・サンホ監督「顔」は、出演者とスタッフがノーギャラやランニングギャランティで参加し、純製作費2億ウォンで制作された作品だが、完成度の高さが口コミで広がり、損益分岐点(6万人)を大きく上回る107万人を動員した。製作費比18倍に及ぶ成果だ。ユン・ガウン監督の「世界の主人」も損益分岐点(8万人)を越え、累計観客数は18万人を超えた。

こうした流れは来年も続くとみられる。近年、投資の冷え込みで製作本数自体が減少したうえ、業界では「1000万映画」への幻想が薄れつつある。文化体育観光部と映画振興委員会が今年100億ウォン規模で新設した「中予算韓国映画製作支援事業」を、来年は200億ウォンに拡大する方針を示したのも、こうした文脈に沿う。

●来年は羅泓軫と柳昇完のブロックバスターに期待

来年の興行面で最も期待を集める韓国映画は、7月公開予定の羅泓軫監督の「HOPE」だ。「哭声/コクソン」以来10年ぶりとなる新作で、俳優ファン・ジョンミン、チョ・インソンが出演する。1970~80年代、非武装地帯近くの孤立した村ホポ港の住民たちが、突如現れた正体不明の地球外生命体に立ち向かうSFブロックバスターで、総製作費は1000億ウォンに達するという。ハリウッド俳優のテイラー・ラッセル、キャメロン・ブリットンらも名を連ねる。

2月公開予定の「HUMINT」も注目作だ。「ベテラン 凶悪犯罪捜査班)」や「モガディシュ 脱出までの14日間」を手がけた柳昇完監督による作品で、ロシア・ウラジオストク国境を舞台に、南北の秘密要員が繰り広げるスパイアクションを描く。俳優チェ・ミンシク、パク・ヘイル主演の「幸福の国」も公開される。2020年カンヌ国際映画祭招待作で、2021年釜山(プサン)国際映画祭の開幕作だったが、コロナ禍の影響で公開が長く延期され、最近になって来年の上映が決まった。「タチャ4」「国際市場で逢いましょう2」も来年の劇場公開が見込まれるが、具体的日程は未定だ。

海外映画では、マーベル作品「アベンジャーズ:ドゥームズデイ」、「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」、ディズニー・ピクサーの代表的アニメ「トイ・ストーリー5」、20年ぶりの続編「プラダを着た悪魔2」、クリストファー・ノーラン監督の「オデユッセイア」、ティモシー・シャラメ主演「デューン砂の惑星PART3」など、話題作が相次いで公開される予定だ。


キム・テオン記者 beborn@donga.com