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舞台「神のアグネス」「明成皇后」主演の俳優・尹石花さんが死去

舞台「神のアグネス」「明成皇后」主演の俳優・尹石花さんが死去

Posted December. 20, 2025 11:05,   

Updated December. 20, 2025 11:05


(18)舞台「神のアグネス」「明成皇后」主演の俳優・尹石花さんが死去

「かりに1カ月でも、『尹石花(ユン・ソクファ)』らしく、堂々と情熱的に生きたい」(2023年、東亜(トンア)日報のインタビュー)

舞台「神のアグネス」やミュージカル「明成皇后(ミョンソンファンフ)」などで活躍し、韓国演劇界を代表する存在だった俳優の尹石花さんが19日、死去した。69歳だった。

尹さんは同日午前10時ごろ、ソウル市西大門区(ソデムング)のセブランス病院で、家族に見守られながら息を引き取った。2022年に脳腫瘍と診断されて以降、闘病を続けていた。

1956年にソウルで生まれ、19歳だった1975年、民衆劇団の舞台「蜜の味」でデビューした。当初は教師や良妻賢母を夢見ていたが、個性的な声質が評価され、CMソングで注目を集めた。「12時に会いましょう」(アイスクリーム)や「空から星を摘んで」(炭酸飲料)など、親しまれたフレーズは尹さんの声によるものだ。

転機となったのは、1983年に自ら翻訳し主演した舞台「神のアグネス」だった。連日満席を記録し、実験劇場初演時には最長公演回数(532回)、最多動員数(約10万人)を達成。演劇界の看板女優としての地位を確立した。

舞台「徳恵(トクへ)翁主」(1995年)、「ハムレット」(2016年)などに出演し、孫淑(ソン・スク)、朴正子(パク・チョンジャ)と並び、韓国演劇界をけん引する女優として活躍した。ミュージカルでも草創期から「シンデレラ」(1976年)、「明成皇后」(1996年)などに出演し、幅広く活動した。

2012年には制作にも進出し、英ロンドンのウエストエンドで「ワンダフル・タウン」を上演。1994年には自身の名前の漢字「石花」にちなんだ出版社「トルコッカンパニー」を設立し、1999年からは音楽専門誌「月刊・客席」を引き継ぎ、発行人を務めた。

2022年10月、ロンドン出張中に倒れ、悪性脳腫瘍が見つかり、20時間を超える大手術を受けた。最後の舞台は、2023年に上演された孫淑さんのデビュー60周年記念公演「トッカータ」での、約5分間の友情出演だった。

1984年の東亜(トンア)日報・女性東亜大賞をはじめ、東亜演劇賞演技賞、百想(ペクサン)芸術大賞、大韓民国文化芸術賞などを受賞。2005年には子どもの日に大統領表彰を受賞した。

遺族は、夫のキム・ソクギさん、長男スミンさん、長女スファさん。葬儀場はソウル・セブランス病院。出棺は21日午前9時。


サ・ジウォン記者 キム・ミン記者 4g1@donga.com