
15日午後、仁川(インチョン)広域市延寿区松島洞(ヨンスク・ソンドドン)のある複合建物。1、2階の商店には客足が絶えず、3~9階のレジデンスは周辺の大企業社員や大学生で満室だった。あるカフェ店員は「平日は息つく暇もないほど混雑する」と話した。近隣の不動産関係者は「今なら土地の価格だけで数百億ウォンの価値があるだろう」と耳打ちした。
ところがこの土地は2018年、仁川自由経済区庁が入札なしの随意契約で50億ウォンで売却したものだ。鑑定価格より32億~39億ウォンも安かった。監査院の監査結果、買収企業は随意契約の対象ですらなかったことが判明した。仁川経済庁関係者は「当時の担当者は現在刑事裁判を受けており、建物にはすでに多数の入居者がいて回収は困難だ」と述べた。
このように、地方自治体が財産を売却する際、公開競争入札の原則を守らず随意契約に頼る慣行が蔓延していることが明らかになった。東亜(トンア)日報が最近5年間(2019~23年)、税外収入のうち財産売却額への依存度が高かった市・郡・区17カ所を対象に情報公開請求を行い、このうち11カ所の資料を分析した結果、全売却1532件のうち1480件(96.6%)が随意契約であったことが確認された。
随意契約とは、入札を経ず行政機関が特定人と直接契約を結ぶ方式だ。入札を行わなければ最高額での売却機会を逃すだけでなく、他の買い手は物件の存在すら知ることができず、低価格売却や特恵疑惑の温床となる。
慶尚北道浦項市(キョンサンプクト・ポワンシ)では、随意契約で市有地を売り続けていた公務員が裏金を約20億ウォン受け取ったことが発覚し、実刑判決を受けた。最近、李在明(イ・ジェミョン)大統領が国有財産売却を全面停止し、安値売却疑惑を調査するよう指示する中、5年間の売却額だけで8兆1857億ウォンに達する自治体財産は、より大きな死角地帯に放置されているとの指摘が出ている。
サ・ジウォン記者 wish@donga.com






