共有型電動キックボードは2018年に韓国国内に初めて導入された。環境汚染を引き起こさず、低価格で手軽に利用できることから、若年層を中心に急速に人気を集めた。しかし、導入から7年が経過した現在、電動キックボードに対する世間の目は「革新的モビリティ」から「凶器モビリティ」へと変わってしまった。規制の死角にある中、運転者自身の安全はもちろん、歩行者の安全までも脅かす移動手段となってしまったためだ。
韓国道路交通公団の統計によれば、2019年に447件だった電動キックボードの交通事故は、2021年に初めて1000件を超える1735件となり、2022年以降は2000件台へと増加した。さらに深刻なのは、10代の利用者が起こした事故が2021年は549件、2022年は1032件、2023年は1021件と、全体のほぼ半数に迫っていることだ。
電動キックボードは道路交通法上、自動車にも自転車にも属さず、個人型移動装置に分類される。現行法では、電動キックボードを運転するには16歳から取得できる「第2種原動機自転車免許」以上の運転免許が必要だが、かなりの数の10代の利用者は、無免許で電動キックボードに乗っている。それも無理はないことで、運転者の免許義務は法律で規定されているものの、電動キックボードのレンタル事業者による免許確認手続きは法的義務ではないため、業者は免許認証の手続きを十分に整えないまま運営している。
ずさんな制度と管理の下、10代の無免許レンタル・利用件数は2021年の3531件から昨年は2万0068件へと急増した。2023年に発生した電動キックボード事故の34%が無免許運転で、そのうち67%が青少年という調査結果もある。
10代の無免許運転者による事故は頻発している。先月、仁川(インチョン)では中学生2人が乗る電動キックボードから2歳の娘を救おうとした30代の母親が大けがを負い、昨年は一山(イルサン)湖水公園で女子高生2人が運転する電動キックボードにはねられた60代の女性が死亡した。
現在、共有型電動キックボードを運営する事業者は10社余り、利用者は100万人を超えると推計される。警察庁によれば、2022年から昨年までの3年間で電動キックボード事故により73人が死亡し、7000人を超える負傷者が出た。
野党「国民の力」の金素熙(キム・ソヒ)議員は、「法律はあっても機能せず、制度はあっても誰も責任を負わない現実を止めなければならない」とし、最近、電動キックボードの法的地位を削除して運行そのものを禁じる内容を盛り込んだ、いわゆる「キックラニ禁止法」を代表発議した。キックラニとは、車道へ突然飛び出すノロジカ(コラニ)のように、電動キックボードが瞬時に危険な事故を引き起こす存在だという意味の新語である。
これ以上「キックラニ」によって罪のない市民が傷ついたり命を落としたりしないよう、政府レベルで総合的な対策づくりに乗り出すべきだ。専門家は、レンタル事業者の免許確認手続きの強化、速度制限、保険加入の義務化など、実効性のある規制が必要だと口を揃えて指摘している。
フランス・パリ、スペイン・マドリード、オーストラリア・メルボルンでは、相次ぐ事故と不便が続いたことから、共有型電動キックボードを全面的に排除した例もある。制度の整備や管理監督が困難で、市民の安全を担保できないのであれば、運行禁止という選択肢まで検討すべきだろう。
アクセスランキング