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ビリヤードのチョン・スビン、「女帝」金佳映を再び撃破 「10年後は優勝が当たり前に」

ビリヤードのチョン・スビン、「女帝」金佳映を再び撃破 「10年後は優勝が当たり前に」

Posted November. 07, 2025 09:40,   

Updated November. 07, 2025 09:40


「怠惰な完璧主義者」

京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)のビリヤード場で最近取材に応じたプロビリヤード選手のチョン・スビン(26・NH農協カード)は、自分をこう定義した。十分な休みを重視する彼女は、自身の性格を「怠け者」だと言う。しかしチョン・スビンにとって「休み」とは、キューを再び握りたいという気持ちを最大限に引き出す手段だ。ビリヤード場に戻ると、納得のいくショットが出るまで、玉を同じ配置で置き、5時間以上練習を続ける。ビリヤードの「ビ」の字も知らなかった大学生が、ビリヤードを始めてから1年半でプロで頭角を現した秘訣である。

チョン・スビンは5日に行われた2025~2026シーズン女子プロビリヤード(LPBA)第7戦「国民の幸福シェルター・ハイワンリゾートLPBAチャンピオンシップ」32強戦で、「ビリヤード女帝」金佳映(キム・ガヨン、42、ハナカード)を勝負つき(サドンデス)の末に4-3で破った。金佳映に勝ったのはこれが初めてではない。昨季第2戦64強でも彼女を下したことがある。25点先取の一発勝負で12-23と大きく遅れていたチョン・スビンは、15イニングで「ハイラン(最高連続得点)」の7点を挙げ、続く16イニングで6点を追加して逆転勝ちした。当時4強まで進出したチョン・スビンは「多くの人が見ているので恥ずかしいプレーはできないと思って玉を撞いたら、運がついてきたようだ」と語った。

チョン・スビンは今季、アベレージ部門で金佳映(1.158)、そして「カンボジア特急」スロン・ピアビ(35・ウリィ金融キャピタル、1.039)に続き1.025で3位につけている。もはや「有望株」ではなく、次世代スターであることを数字で証明している。

チョン・スビンがビリヤードに初めて触れたのは2019年、友人の代わりにビリヤード場でアルバイトをした時だ。それから2年後に本格的にビリヤードを始めた彼女は、「4つ玉もポケットボールも撞いたことがなかったので、厚みの調整方法すら知らなかった。それでもビリヤードがとても面白かった」と振り返る。彼女が思うビリヤードの魅力は「繊細さ」だという。チョン・スビンは「姿勢が少しズレたり、当て点が上下にわずかにぶれるだけで、玉にかかるスピンが全く変わってくる。思い通りに得点できた時の爽快感は格別だ」と語った。

ビリヤードに深くのめり込み、プロを目指すと両親に「爆弾宣言」したチョン・スビンは、ひたすらビリヤードに打ち込んだ。練習に没頭し、日が暮れた道を一人歩いて帰る日も少なくなかった。食事をしたり大学で授業を受ける時間を除けば、1日8時間以上をビリヤード場で過ごした。

そうして1年余り猛練習を積んだチョン・スビンは、2022~2023シーズンのTSシャンプー・プラダックLPBAチャンピオンシップ2022第3戦でワイルドカードとしてLPBAデビューを果たした。昨年5月のチームドラフトではNH農協カードに指名された。淑明(スクミョン)女子大学統計学科に在学していた頃は金融業界への就職が目標だったので、道は少し違っても思い描いていた方向性をある意味で実現したことになる。

チョン・スビンが挙げる自身の強みは長い身長(171cm)だ。エクステンション(キュー延長器具)を使う必要が少なく、重さや厚みを一定に保ちやすい。また金佳映を相手に逆転勝ちした時のように、平常心を維持する能力も武器だという。冷静を保つ秘訣として、結果を受け入れる心構えを挙げた。彼女は「試合に臨む前、いつも3つのフレーズを繰り返す。その一つが『負けても相手を心から祝福しよう』だ。残り二つは企業秘密」と話した。

ビリヤードが趣味ではなく「仕事」になり、成績への焦りでプレッシャーを感じる時ももちろんあった。しかしユニフォームに少しずつ増えていくスポンサーのワッペンを見ながら気持ちを立て直した。チョン・スビンは7日、チームメートのファン・ミンジ(24)と準々決勝進出をかけて戦う。この大会で自身の最高成績(4強)の更新を狙う彼女は「今年は足りないとこをを補って決勝に行きたい」とし、「10年後には優勝を日常のように重ねる上位選手になっていたい」と語った。


高陽=ハン・ジョンホ記者 hjh@donga.com