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返済難に陥る中小企業が急増 延滞率は金融危機以降で最悪水準

返済難に陥る中小企業が急増 延滞率は金融危機以降で最悪水準

Posted November. 06, 2025 09:13,   

Updated November. 06, 2025 09:13


「私たちが納入していた取引先が倒産してしまい、代金を受け取れない状況です。支払いがあまりにも滞っていて、どれだけ未回収なのかも分からない状態です」

5日、京畿道始興(キョンギド・シフン)に位置する韓国最大の鉄鋼流通団地「スチールランド」で取材に応じた鉄鋼製造中小企業代表のキムさんは、深刻な資金難を訴えた。キムさんは「2年前から約3000万ウォンの税金も納められなくなり、追加融資も受けられない」と打ち明けた。

米国発の関税政策の先行き不透明感に加え中国発の安値供給過剰や内需不振が重なり、製造業の中小企業で資金難が深刻化している。中小企業の銀行延滞率も金融危機時の水準にまで跳ね上がっていることが明らかになった。

中小企業向け融資比率が高いIBK企業(キオブ)銀行の今年第3四半期(7~9月)の融資延滞率は1.0%で、金融危機が表面化した2009年第1四半期(1.02%)以来の高水準となっている。第3四半期の企業向け融資だけをみると延滞率は1.03%で、2010年第3四半期(1.08%)以来15年ぶりの高さだった。企業銀行の中小企業向け融資比率は、全融資の82.9%を占めている。同行の関係者は「経営環境が厳しい中小企業や自営業者を積極的に支援した結果だ」とし、「健全性管理システムを整備し、多方面で延滞削減策を実施している」と説明した。

4大都市銀行(KB国民・新韓・ハナ・ウリ)の中小企業向け融資の延滞率も、今年第3四半期平均が0.53%と、2017年第1四半期(0.59%)以来の高水準だった。内需不振が深刻化している地方の5大銀行(BNK釜山・慶南・iMバンク・光州・全北)の延滞率はさらに高く、今年第3四半期の中小企業向け融資の延滞率は1.1%と、都市銀行の2倍超となっている。

中小企業の延滞率上昇は、元利金を期限通りに返済できないほど資金難が深刻化していることを意味する。これは運転資金の不足と経営難をさらに悪化させ、実体経済全体への波及リスクを高める。

中小ベンチャー企業研究院のノ・ミンソン中小企業政策研究室長は、「国家経済の根幹とも言える中小製造業が倒れれば、国全体の経済に打撃を与えかねない」とし、「中小企業が景気回復の局面まで持ちこたえられるよう、政策資金の供給と技術開発支援が必要だ」と指摘した。


シン・ムギョン記者 始興=チュ・ヒョンウ記者 yes@donga.com