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作戦統制権移管と在韓米軍の役割調整の間で同盟の均衡点を探れ

作戦統制権移管と在韓米軍の役割調整の間で同盟の均衡点を探れ

Posted November. 05, 2025 08:58,   

Updated November. 05, 2025 08:58


ヘグセス米国防長官は4日、韓米安保協議会(SCM)を終えた後、「韓国を守ろうとする意志は明確だ」としたうえで、「同時に、地域の他の非常事態に対応するための柔軟性の向上が必要だ」と述べた。これは在韓米軍の戦略的柔軟性拡大に向け、両国間の調整を求めた発言だ。韓米は、後日公表されるSCM共同声明を通じて「戦時作戦統制権(戦作権)移管のための努力を加速する」ことで合意したという。前日に行われた韓米合同参謀本部長間の軍事委員会議では、戦作権移管に関して「意味ある進展があった」と評価し、韓米同盟が「韓半島を越えて地域の抑止力に寄与する」との認識を共有した。

今回のSCMは、これまで2度の韓米首脳会談で合意された「同盟の現代化」を基盤に、両国が防衛目標・戦略・計画を具体的に議論する場だった。同時に、米国が最近まとめた第2次トランプ政権の新国家防衛戦略(NDS)と、韓国新政権の国防政策方針を擦り合わせる機会でもあった。その結果、韓国が自国の軍事力強化と戦作権移管の加速化によって北朝鮮に対する通常防衛を主導し、米国は北朝鮮の核に対する拡大抑止を提供しつつ、中国牽制のため在韓米軍の役割を調整するという方向性が概ね示された。

ただし、このような同盟の現代化の具体的な速度や役割分担のロードマップは、「両国間の率直な対話による効果的対応」に委ねられている。どれほど韓米が「鉄壁の同盟」「模範同盟」を誇っても、地政学的立場や能力の差など様々な要因から意見の相違が生じないわけではない。特に戦作権が韓国軍に移管され、在韓米軍の役割が調整されると、即座に「米軍撤収ではないか」との懸念を高め、やがて同盟間の摩擦要因になりかねない。

真の同盟の力は、互いの立場を尊重し合いながら意見を調整し、相互理解が可能な均衡点を見いだす土台の上に築かれる。戦作権移管に向けて無理なスケジュールを設定して急ぐよりも、既存の合意に沿って条件を着実に満たしながら進めることが重要だ。また、在韓米軍の役割を拡大するにしても、我々の意志とは関係なく地域紛争に巻き込まれることのないよう、十分な協議を経て安全装置を設ける努力が求められる。