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AI半導体同盟の三星電子と現代自、APECで最大の恩恵

AI半導体同盟の三星電子と現代自、APECで最大の恩恵

Posted November. 03, 2025 08:16,   

Updated November. 03, 2025 08:16


2025年の慶州(キョンジュ)アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議の閉幕を受け、韓国産業界に与えた影響への関心が高まっている。とりわけ「人工知能(AI)半導体」が最大の受益産業となったとの見方が支配的だ。長らく財界の不安要因だった韓米関税協議と米中貿易摩擦がAPEC期間中にひとまず決着したことも、追い風となっている。

●APECの恩恵を受けた半導体・AIインフラ・自動車産業

2日、財界の関係者によると、今回のAPEC期間中で最も恩恵を受けたのは半導体産業だったという。世界最大のAI半導体企業NVIDIAのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が李在鎔(イ・ジェヨン)三星(サムスン)電子会長、鄭義宣(チョン・ウィソン)現代(ヒョンデ)自動車グループ会長と「チメク(チキン+メクジュ(ビール))」会合を行い、いわゆる「民間AI同盟」を強化したうえ、韓国内で品薄状態が続くGPU26万枚を供給することを決めたためだ。

NVIDIAは、三星電子やSKハイニクスなど韓国半導体企業との協力強化も表明。AIチップ製造に不可欠な高帯域幅メモリ(HBM)をはじめ、DRAMやNAND型フラッシュメモリの大量調達を進め、「AIファクトリー」事業を強化する方針を示した。

とりわけ三星電子は、次世代HBM「HBM4」をNVIDIAへ供給することを事実上確定させ、さらに同社のロボティクス向けアプリケーションプロセッサ(AP)を開発していることも明らかになり、今回のAPEC最大の受益企業の一つに浮上した。

また、NVIDIAやアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)などグローバルAI企業との協力が具体化し、今後はデータセンターなどAIインフラ事業も大きな恩恵を受ける見通しだ。韓国に供給されるGPUの大半は、AIデータセンターの構築に使用される。

自動車・ロボット事業も受益産業として注目されている。現代自動車グループは、NVIDIAから新型GPU5万枚の供給を受けることになり、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)や自動運転、ロボット開発などの未来事業が加速する見込みだ。現代自側は、「NVIDIAのAI推論モデルとソフトウエアを活用し、車両機能と性能を向上させられる」と期待を示した。APEC期間中、米国による韓国製自動車への関税が25%から15%に引き下げられ、中国政府によるレアアース輸出規制の拡大が猶予されたことも、国内自動車業界には好材料となっている。

造船業界も注目を集めた。米ドナルド・トランプ大統領が原子力潜水艦の建造を承認したことで、APECの受益産業として脚光を浴びた。さらに、カナダのマーク・カーニー首相が60兆ウォン規模の潜水艦事業の最終決定を前に、韓国・巨済(コジェ)のハンファオーシャン造船所を訪問したことから、ハンファオーシャンが「二重の好材料」に恵まれたとの見方も出ている。

●関税高騰と安値攻勢に苦しむ鉄鋼・石油化学、APECでも打開策なし

一方、鉄鋼業界は「憂鬱な秋」から抜け出せずにいる。米国や欧州連合(EU)が相次いで関税率を最大50%に引き上げ、中国の低価格攻勢も続き「三重苦」に陥る中、APECでは困難を解消する特別措置は発表されなかった。

また、会議で気候規制強化の議論が活発に行われたことで、石油精製・石油化学など二酸化炭素排出量の多い産業が打撃を受けたとの見方も出ている。キム・デジョン世宗(セジョン)大学経営学部教授は、「世界のメモリ半導体の8割を供給する韓国にとって、NVIDIAとの協力強化は大きな好材料だ。APEC期間中、韓米関税交渉が大詰めを迎えるなど、産業の不確実性が解消された点も前向きに評価できる」と述べた。


イ・ドンフン記者 イ・ウォンジュ記者 dhlee@donga.com