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「ジェンダーと階級の葛藤を経験する韓国、ギャツビーを見ながら道を探してみては」

「ジェンダーと階級の葛藤を経験する韓国、ギャツビーを見ながら道を探してみては」

Posted August. 11, 2025 09:06,   

Updated August. 11, 2025 09:06


「ソウルで公演を披露できるなんて、『故郷に来た感じ』です」

ミュージカル「グレート・ギャツビー」の米国人脚本家のケイト・ケリガン氏(45)と作詞を担当したネイサン・タイセン氏(48)は7日午後、ソウル江南区(カンナムグ)のGSアートセンターで東亜(トンア)日報の取材に応じ、こう言っては満面に笑みを浮かべた。

このミュージカルは、米大恐慌直前の1920年代を背景にしたフランシス・スコット・フィッツジェラルド(1896~1940)の同名小説が原作。しかし、ODカンパニーのシン・チュンス代表が。アジア人としては初めてブロードウェイのリードプロデューサーを務めて製作した作品であるため、韓国を故郷に呼んだのだ。

ミュージカル「グレート・ギャツビー」は、シャンパンとジャズが溢れるニューヨークのパーティーの裏に隠された物質主義に対する虚しさと挫折をよく表現したという評価を受けている。昨年4月、ブロードウェイで初めて上演した後、今年4月、英ウェストエンドまで進出し、今月1日、韓国国内で上演された。

ケリガン氏とタイセン氏は、今年で結婚10年目を迎えた夫婦でもある。ケリガン氏は2009年、家族ミュージカル「ヘンリーとマッジ(Henry and Mudge)」でクレバン賞を受賞し、タイセン氏は、「パラダイススクエア(Paradise Square)」でトニー賞候補にノミネートされたことがある。

しかし、夫婦が同じ作品を一緒に作業したのは初めてだという。タイセン氏は、「多くのめちゃくちゃな作家たちとも仕事をしたことがあるので、妻と一緒なら良いシナジー効果が出ると思った」と笑った。二人は「グレート・ギャツビー」の作曲家であるジェイソン・ハウランドを通じてシン代表を紹介してもらった。ケリガン氏は、「シンさんは、製作費を減らそうとするブロードウェイプロデューサーたちと違い、やりたいことを思う存分やらせてくれた」と話した。

「グレート・ギャツビー」は、ギャツビーが恋人のデイジー・ブキャナンを忘れることができずに起こる出来事を描く。原作は、デイジーのいとこニック・キャラウェイの視線で展開されるが、ミュージカルは、多様なキャラクターの感情を直接表わしている。ケリガン氏は、「1920年代は、女性たちが投票権を得たが、依然として夫たちが浮気をしても容認された時期だ」とし、「特にデイジーと彼の親友ジョーダン・ベイカー、デイジーの夫トム・ブキャナンの恋人マートル・ウィルソンが当代の女性として生き残る方法について悩んだ」と明らかにした。

デイジーのソロナンバー「ビューティフール・リトル・フール(Beautiful Little Fool)」は、このような悩みの結果だった。原作では、序盤に通り過ぎる台詞だが、ミュージカルでは2幕後半に配置した。ケリガン氏は、「観客がデイジーを十分に理解後、彼女の感情に共感することを願った」と話した。

歌の歌詞は、原作小説のインパクトを十分に込めようと努力した。タイセン氏は、「小説の中のニックのナレーションは詩的だがぎっしりで、キャラクターの対話からできるだけ多く持ってこようとした」とし、「一番好きなナンバーは、ニックがトムとマートルの浮気を目撃するナンバー『ザ・メット(The Met)』だ。茶目っ気があり、セクシーで、完結性のある曲だ」と語った。

作品は、1幕ではギャツビーが描いた幻想の世界が2幕で崩れていく過程を赤裸々に見せてくれる。ケリガン氏は、「人物が各自追っていた目標が虚像だったことに気づき、夢が粉々になる様子を見られるように描いた」と話した。

「小説『菜食主義者』や映画『パラサイト 半地下の家族』を見ると、韓国社会はジェンダーと階級についての深い議論がある国のようです。私たちの作品が、その対話を続けるきっかけになることを願っています」(ケリガン)

「ミュージカル『グレート・ギャツビー』は、クラシックなブロードウェイミュージカルであると同時に、現代的技術を多く活用しました。観客に舞台を楽しんで幸せを感じてもらいたい」(タイセン)


サ・ジウォン記者 4g1@donga.com