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強引なトランプ大統領を越えたら、微動だにしない「共に民主党」

強引なトランプ大統領を越えたら、微動だにしない「共に民主党」

Posted August. 07, 2025 08:30,   

Updated August. 07, 2025 08:30


関税交渉という大きな山を越えた後、振り返ってみると、こんな無理難題な交渉があるのかと思わされる。裏路地に引きずり込まれて両ポケットをすっかり空にされたが、それでも他人よりは取られなかった、靴下の中に隠していた金は守れたと安堵しなければならない状況が苦々しい。米ホワイトハウスが公開した団体記念写真は象徴的だ。韓米それぞれ5人ずつ計10人が「グッドサイン」をしているが、歯を見せて満面の笑みを浮かべているのはトランプ大統領、ラトニック商務長官、ルビオ国務長官の3人、すべて米国側だ。

韓国の交渉代表団は「戦争のような交渉過程」「生きた心地がしなかった」と語った。気に入らなければ「関税25%で行こう」と席を立つ米国側のズボンの裾をつかまなければならなかった。幸いにも「MASGA(米国造船業を再び偉大に)」カードなどを前面に出して突破口を開いた。サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長、現代(ヒョンデ)自動車グループの鄭義宣(チョン・ウィソン)会長、ハンファグループの金東官(キム・ドングァン)副社長など財界も総出動して力を添えた。善戦したと評価される関税交渉の過程では、政府・与党と企業は「ワンチーム」だった。

しかしワシントンから戻るや否や、ワンチームは解体された。国家代表の招集が終わり、それぞれ所属チームに戻った選手のように分かれた。頑固な米国を相手に冷や汗をかいていた政府・与党が、今度は韓国企業に対して強硬な態度を見せている。商法改正に続く「より強い商法」、黄色い封筒法、法人税引き上げなどを矢継ぎ早に繰り出している。どんな懇願や説得も通じない。企業はトランプ氏を相手にした時と同じくらいどうすることもできない壁の前に立たされている心境だ。

トランプ政権が他国を見る態度と、与党「共に民主党」が企業を扱う方式は妙に似ている。核心支持層の利益が優先される。トランプ氏にとって「米国」と「白人」が中心なら、韓国政府には「個人投資家」と「労働組合」が中心だ。自分たちに利益があるなら、相手が受ける打撃はあまり気にしない。「関税が自由貿易を萎縮させ、結局消費者に被害が及ぶ」「企業経営が萎縮すれば経済成長が難しくなる」といった教科書的な説得は通じない。

一方では頻繁な変奏で「希望拷問」をする。トランプ氏は時に「私は寛大だ」と譲歩するように見せたが、実際には答えは決まっていた。友好的な交渉ムードに油断していたインドとスイスは痛い目に遭った。「企業が成長の中心」としてスキンシップを拡大する政府・与党に経済界は「もしかして」と期待をかけたが「やはり」だった。6月30日、「共に民主党」は経済団体と商法改正案の懇談会を開き、その3日後にすぐ改正案を通過させた。先月14日にも黄色い封筒法と関連して経済団体の懸念を聴いた後、翌日には「遅くとも来月には処理する」と公言した。

関税が25%から15%になったので何か得をしたように見えるが、企業の立場では0%から15%に負担が増えたのだ。第2四半期に史上最大の売上を記録しながらも営業利益が急落した現代自動車・起亜(キア)のように、下半期に全産業を襲う関税の嵐の影響は予測すら難しい。このような状況で、経営権の不安と資金の逼迫(商法)、労使関係の不安(黄色い封筒法)、コストの増加(法人税)などまで一度に襲いかかれば、並の企業では耐えられないかもしれない。

各国の関税交渉が大方終わり、企業はそれぞれ受け取った関税の成績表を持ってグローバル市場で戦いを繰り広げなければならない。優れた軍隊は兵站で勝つというが、今のところ本国からの補給は期待できない状況だ。今からでも企業の過度な負担を減らし、不合理な規制を解消するために知恵を絞るべきだ。譲歩する気は毛頭ない米国と向き合った時のもどかしい心情を思い出してほしい。実用主義を標榜した李在明(イ・ジェミョン)政府と与党は、強引なトランプ政府とは違うところを見せなければならない。そうあることを信じたい。