ソウル麻浦区(マポグ)地下鉄6号線の廣興倉(クァンフンチャン)駅近くにある古い骨付きヘジャンクッ屋の噂が広まって、味見をしに行った。1万1000ウォンの骨付きヘジャンクッを一つ注文したら、土鍋と味噌和え、キュウリ唐辛子、カクテキ、白菜キムチがテーブルの上に並べられる。ヘジャンクッにエゴマ粉をたっぷりかけるのは「お決まりの食べ方」。酒飲みなら誰もが知っている味なので、よりおいしそうな酔い覚ましスープを一口食べる。スープは味が深くて濃厚であり、喉もよく通り、豚肉の背骨の赤身はゆで肉のように柔らかい。
骨付きヘジャンクッは、韓国社会でやや独特な地位を持つ食べ物だ。決して高級な食べ物とは言えないが、地位の上下を問わず周期的に食べなければならないほど食欲をそそる。近代初期までひどい貧困を経験した韓国人には、とりわけ骨を活用した食べ物への執着があるようだ。世界で家畜の骨を韓国人ほどつましく食材として煮込んで食べる国が他にあるだろうか。牛骨を煮出してソルロンタンなどを作り、豚骨も煮込んで様々なスープや麺料理の基本スープとして使う。欧米では、精肉をしてから捨てる豚の背骨が、韓国では立派な骨付きヘジャンクッやカムジャタンの材料になる。
このように韓国人に愛されているため、1990年代に入ってから外食企業は、骨付きヘジャンクッとカムジャタンのフランチャイズ事業を始めた。おそらく、多くの骨ヘジャンクッ屋が、フランチャイズ業者であるだろう。ところが、この飲食店は、個人が直接運営する珍しいケースだ。個人が骨付きヘジャンクッ屋をやりにくい理由は、主な材料である豚の背骨の需給がバルク単位でのみ行われるためだというのが業界の説明だ。
この骨付きヘジャンクッ屋を経営するオーナーは、60代前半から半ばの真面目で善良な印象を持つパク・サンフンさんとパク・ソヨンさん夫婦だ。彼らは以前、有名なフランチャイズのチキン店を経営していたそうだ。そうしているうちに、たまたま入ってきて味わった骨付きヘジャンクッの味に魅了された上、おいしそうに食べている他の人たちの反応を見て、骨付きヘジャンクッに精魂を入れるとうまくいきそうな予感がして、思い切って起業したという。
この店の味の要は、もちろん真心だ。背骨を受け取ってからお客さんの口に入るまで17時間もかかると言った。水に寝かせてから煮込むことを繰り返すという。さらに、最もコクを高められるタレを開発するために、実験に実験を重ねたと(秘法は文字通り「秘法」なので公開できないと言った)。幸い美味しい店として知られ、最近は1日平均180キロほどの背骨を消費しているという。冬の繁忙期は、売り上げがそれを上回る。フランチャイズの骨ヘジャンクッ会社と差別化する戦略を教えてほしいと言うと、パクさん夫婦は恥ずかしそうに笑いながら、「ただ正直に料理を作ろうという思いだけだ」と話した。従業員たちにも、常に「正直」を強調するという。
パクさん夫婦は、周辺の友人や数人の知人に、自分たちが開発した骨付きヘジャンクッのレシピを惜しみなく伝え、商売を手伝っているという話も付け加えた。フランチャイズ事業者登録をして、より大きなお金を稼ぐこともできるだろうが、よく見ると、この家の最大の競争力は、オーナーの欲張らない謙遜さと善良な心のようだった。偶然、賄い婦たちが、お客さんがまばらな合間を縫って食事するのを見たが、パク・サンフン代表が彼らのスプーンをきちんとテーブルの上に置いていた。
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