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トランプ関税と李在明の法人税、内外から突き付けられた二重請求書

トランプ関税と李在明の法人税、内外から突き付けられた二重請求書

Posted July. 25, 2025 08:26,   

Updated July. 28, 2025 18:49


対米相互関税の猶予期限がちょうど残り1週間となっている。米国側は、25日(現地時間)にワシントンで開かれる予定だった「韓米2+2通商協議」も突然取り消し、圧迫のレベルを高めている。このまま交渉が空転すれば、来月1日から米国に輸出するすべての製品に対し、25%の相互関税が課せられる。

このような状況で、韓国国内企業は税金請求書をもう一つ受け取ることになる。李在明(イ・ジェミョン)政府が法人税引き上げを推進しているためだ。早ければ今月末に発表される政府税制の見直し案に盛り込まれる可能性が高いが、企業の立場では相互関税賦課を目前にして、李在明発「法人税書簡」を受け取ることになる。グローバル関税戦争の最中、税収基盤を拡大するとして法人税率を引き上げ、自国企業の負担を増やすことは致命的な自害政策になりうる。

高率の関税は単に輸出の減少にとどまらず、製造業の空洞化を招く可能性が大きい。現代(ヒョンデ)自動車グループなどが現地化戦略を強化するように、米国内の投資が増えれば、韓国内の生産基盤が弱まり、中小・中堅協力会社の生態系崩壊につながりかねない。大企業と違って、現地化費用を負担できない中小企業は、グローバルサプライチェーンから脱落すれば、なかなか持ちこたえられない。これまで韓国経済の成長エンジンの役割を果たしてきた製造業の基盤が解体される危機に直面している。

米国のドナルド・トランプ大統領は、関税を武器に競争力のある海外企業を誘引しているのに、韓国政府は法人税引き上げを推進しながら国内企業を外に押し出している。現行の国内法人税の最高税率は24.0%で、米国(21.0%)や日本(23.2%)、台湾(20.0%)はもとより、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均(21.5%)よりも高い。

具潤哲(ク・ユンチョル)新副総理兼企画財政部長官は、国会での人事聴聞会で、「法人税引き下げ以降、税収減少が大きかった」とし、「減税が必ずしも成長につながるという保障などない」と話した。具副首相の言葉のように、この2年間、法人税収入は41兆ウォンも激減したが、彼が問題として指摘した税収欠損は、景気低迷と低収益構造を避けられなかった大企業の業績悪化が根本的な原因だった。三星(サムスン)電子とSKハイニックスは、2023年に数兆ウォン台の赤字を出したため、昨年3月に法人税として「0ウォン」を申告した。財界からは、「不況がどれほど深刻ならば、今年法人税を最も多く払うところが輸出企業ではなく韓国銀行なのか」と自嘲する。

政府は、法人税率を1%引き上げれば、年間約2兆ウォンの税収を確保できるものと試算しているが、企業の投資心理が回復しなければ、それさえも容易ではない。新政府が目標とする「コスピ5000」の時代も、やはり企業業績の回復と価値上昇が後押しされなければ遠い道になる。

今必要なのは、「税率復元」ではなく「企業活力の復元」だ。政府は不要な免税、減免制度を見直し、税源を広げることから始めなければならない。同時に半導体とバッテリー、人工知能(AI)、電気自動車など先端戦略産業に対しては生産税額の控除など、「韓国版インフレ削減法(IRA)」と呼ばれるほどの果敢な税制支援に乗り出さなければならない。李在明政府の初の税制見直し案は、企業の構造的競争力を回復し、産業再編を可能にする第一歩にならなければならない。