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「FRB本部改修は過剰」パウエル議長の解任を求める次期有力候補

「FRB本部改修は過剰」パウエル議長の解任を求める次期有力候補

Posted July. 15, 2025 08:40,   

Updated July. 15, 2025 08:40


米ホワイトハウス国家経済会議のケビン・ハセット委員長(63)は13日、ABCニュースとのインタビューで、25億ドル(約3兆4500億円)規模の連邦準備制度理事会(FRB)本部の改修は過剰であるとして、「正当な理由があれば、大統領はFRBのパウエル議長を解任する権限がある」と述べた。ロイター通信などは、トランプ米大統領が利下げ要求に従わないパウエル氏の解任を迫り始め、ハセット氏もこれに加勢したと診断した。ハセット氏は次期FRB議長候補としても名前が挙がっている。

ハセット氏はインタビューで、「(FRB本部の改修は)ワシントン史上最も高額なプロジェクトだ」と述べ、「(初期費用だった)25億ドルより7千億ドル(約966兆円)超過した」と主張した。さらに「FRBは説明すべきことが多い」とも語った。FRBは2021年からワシントン市内の2つの建物の改修工事を行っている。

FRBの改修工事費がパウエル氏解任の理由になるかとの質問に、ハセット氏は「大統領がそうするかどうかは、ラッセル・ボート行政管理予算局長の(費用関連)質疑にFRBがどう答えるかにかかっている」と答えた。

ボート氏は10日、「FRBが屋上庭園や人工滝、VIPレストラン、大理石の装飾などを含む豪華な本部改修を強行している」として、改修工事が法律違反かどうかを調査する内容の書簡をパウエル氏に送った。ボート氏はFRBに7日以内に回答するよう求めており、これをめぐってトランプ氏が29日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)会議前にパウエル氏を解任するための時間を確保しようとしているのではないかという分析も出ている。

米政治専門メディア「アクシオス」などは、トランプ氏が自分の要求通りにFRBが利下げを行わないとして、来年5月まで任期のあるパウエル氏を解任するために改修費問題を持ち出したと分析している。これまでトランプ氏はパウエル氏に繰り返し利下げを迫り、「ミスター・トゥー・レイト(決断がいつも遅い人)」「ルーザー(敗者)」など、露骨な非難を続けてきた。2日には、パウエル氏がFRB本部の改修計画に関連して議会で偽証したとの疑惑を示す記事リンクを自身のSNSで共有し、「即時辞任すべきだ」と主張したこともある。

トランプ氏は最近、「FRB議長候補が2〜3人に絞られている」としてパウエル氏の後任に触れるなど、影響力を削ごうと動いている。ハセット氏は、ケビン・ウォーシュ元FRB理事(55)とともに有力候補として言及されている。ハセット氏は、第1次トランプ政権時に大統領経済諮問委員会委員長として活動し、米中貿易戦争に参加するなど、トランプ氏の経済分野の核心側近とされている。トランプ氏が就任した今年初めに国家経済会議(NEC)委員長に正式に就任した後は、トランプ政権の関税戦争を主導してきた。金利政策についても低金利政策を推進するトランプ政府の方針と合致するとされている。


アン・ギュヨン記者 kyu0@donga.com