
イスラエルとイランの武力衝突が1週間以上続く中、トランプ米大統領は19日(現地時間)、「2週間以内にイランに軍事介入するかどうか決定する」と明らかにした。最近、トランプ氏がイランおよび最高指導者ハメネイ師への攻撃の可能性を示唆する発言を続けてきたことから、米国による軍事行動が差し迫っているとの見方も出ていたが、今回はいったん保留したと解釈される。トランプ政権が「2週間」という期限を設定し、イランに核開発の完全放棄を迫る「最後通告」に出たとみられる。
米ホワイトハウスのレビット報道官は同日、定例会見で、「近くイランとの交渉が行われる可能性も、そうでない可能性も踏まえて、今後2週間以内に(イランに軍事)介入するかどうかを決定する」というトランプ氏の声明を伝えた。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、トランプ氏が17日にすでにイランへの攻撃計画を承認したが、最後までイランが核を放棄するかどうかを見極めてから最終判断を下す予定だと報じた。
トランプ氏は、イランへの軍事行動を実行する場合に米国が負うリスクに対する側近や支持層の懸念・反発を考慮し、このような決断に至ったものとみられる。米CNNは「19日にトランプ氏と昼食をともにしたスティーブン・バノン氏ら忠誠派の多くが、トランプ氏が(イランへの攻撃)決定を下した場合、(イランとの)長期的衝突が避けられないと主張した」と伝えた。ある米高官は米CBSに、「トランプ大統領はイラン政権崩壊後の不確実な状況や、中東戦争への米軍の介入にためらいを見せた」と話した。
ひとまず外交的解決の道は開いておいたものの、トランプ氏はイランに再度圧力をかけた。特にイランとの交渉の核心的条件として「核兵器の完全放棄」を強調した。レビット氏は「イランのウラン濃縮は認められず、イランは絶対に核兵器を保有してはならない」と述べ、「トランプ大統領は力の行使を恐れない。イランと全世界は、米軍が世界で最も強力で致命的な戦闘力を保有しており、米国が地球上のどの国も持たない能力を有していることを知るべきだ」と述べた。
一部では、20日にスイス・ジュネーブで予定されている英国・ドイツ・フランスの欧州3ヵ国(E3)とイランとの外相会議の結果によって、トランプ政権の今後の対応の方向性が決まると見ている。英紙フィナンシャル・タイムズによると、今回の会議ではイラン核施設への国際査察団の自由なアクセスや、核プロジェクト監視の再開、イランの弾道ミサイル削減などが議題となる予定だという。あるE3関係者は「今回の交渉の目的は、イランの核プロジェクトに対する意図を米国側に伝えることにある」とポリティコ欧州版に語った。
一方、イスラエルは20日にも大規模な対イラン空爆を続けた。イスラエル軍は同日、「19日深夜、イランの首都テヘランにあるミサイル生産施設および防衛革新研究機構(SPND)本部を攻撃した」と明らかにした。SPNDはイランの核兵器開発機関とされる。イランも深夜にイスラエルへ無人機(ドローン)を発射したが、大半が迎撃されたと伝えられた。
イ・ギウク記者 ワシントン=シン・ジンウ特派員 71wook@donga.com