
「国民坪型(国坪)」と呼ばれる専用面積84平方メートルのマンションの分譲価格が、1年前より14%上がったことが分かった。資材価格と人件費の上昇で工事費が大きく上がったうえ、2023年まで下落傾向だった住居価格が昨年からソウルを中心に上がり、分譲価格も共に上昇したのだ。
●ソウルの国坪の分譲価格が17億ウォンを超過
11日、不動産R114によると、昨年6月から2025年5月までのこの1年間、全国で供給された専用84平方メートルマンションの平均分譲価格は7億7235万ウォンと集計された。これは2023年6月から昨年5月までの平均分譲価格(6億7738万ウォン)より14.0%上昇した価格だ。
ソウルの専用84平方メートルマンションの平均分譲価格は17億6735万ウォンで、全国で最も高かった。続いて済州(チェジュ、8億8625万ウォン)、釜山(プサン、7億8775万ウォン)、大邱(テグ、7億7081万ウォン)、京畿(キョンギ、7億507万ウォン)、大田(テジョン)(6億8600万ウォン)の順だった。
分譲価格の上昇幅も、ソウルが最も大きかった。この1年間、ソウルの平均分譲価格は、直前の1年より36.8%上昇した。全国平均上昇率(14%)の2.6倍だ。京畿(5.4%)、仁川(インチョン、5.1%)などの首都圏に比べても圧倒的に高い数値だ。一方、蔚山(ウルサン、マイナス11.2%)、釜山・光州(クァンジュ、マイナス9.8%)、大邱(マイナス9.5%)など不動産景気の低迷で売れ残りが生じた地方では、むしろ分譲価格が1年前より下がった。
●工事費と住宅価格が共に上昇した結果
ソウルを中心に分譲価格が上がった最大の理由は、工事費のためだ。2021年頃に高騰した工事費は、引き続き高い水準を維持している。韓国建設技術研究院が集計する建設工事費指数は、今年4月基準で131.06と、5年前より約32%上昇した。
さらに工事費を巡る対立と事業遅れも、分譲価格の上昇要因に挙げられる。2023年当時、ソウル江南(カンナム)圏団地を中心に工事費関連の紛争が続き、主要団地の分譲が先送りされ、平均分譲価格が高くなったものと見られる。今月入居を控えている瑞草区蚕院洞(ソチョグ・チャムウォンドン)の「メイプルザイ」では、今年まで組合と施工会社(GS建設)間の工事費紛争が続いている。GS建設は昨年12月、計4860億ウォン規模の追加工事費を組合側に要請した。組合が工事費の増額を拒否し、GS建設は工事費増額分の一部(2571億ウォン)に対しては工事代金訴訟を起こした。GS建設と組合は788億ウォンを増額することで合意し、工事費の対立は一段落した。
また、分譲市場の低迷期を避けて、住宅価格の上昇期に分譲するため、分譲日程を先送りする団地もある。特に江南圏団地は、分譲価格上限制の規制が適用されるだけに、最大限分譲を遅らせて分譲価格を引き上げようとするのだ。
昨年7月に分譲した瑞草区盤浦洞(パンポドン)の「レミアンワンペンタス」は、当初2022年に先分譲をする計画だった。ただ、施工会社の交替などを経て分譲日程を先送りし、マンションを建設してから分譲する後分譲に回った。建設業界の関係者は、「建設会社は早く分譲し、工事代金を受け取ろうとしても、組合で高い価格で分譲するために入居直前まで分譲を先送りする場合がある」と話した。
建設業界では今後、分譲価格がさらに上がる可能性があると見ている。今月末から民間マンションのゼロエネルギー建築物の設計基準が義務付けられるためだ。関連基準を満たすためには、高性能断熱材、高効率建具と太陽光設備などが必要で、工事費がさらに上がるものと見られる。
オ・スンジュン記者 ohmygod@donga.com