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百回謝罪しても足りない状況で「すべて勝って帰ってきた」と言う尹前大統領

百回謝罪しても足りない状況で「すべて勝って帰ってきた」と言う尹前大統領

Posted April. 14, 2025 08:31,   

Updated April. 14, 2025 08:31

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が11日、漢南洞(ハンナムドン)の官邸を離れ、瑞草洞(ソチョドン)の私邸に戻った。憲法裁判所の弾劾裁判の結果、罷免されて1週間が経ったが、支持者たちの歓呼の中、まるで凱旋将軍が故郷に錦を飾るかのような様子だった。特に尹氏は、私邸の前で待っていた住民たちと握手し、「すべて勝って帰ってきたので心配しないでください」と述べた。また、罷免され任期を全うできなかったことについても「どうせ5年やっても3年やっても」と話した。

「12・3非常戒厳」後、憲法裁の弾劾裁判の過程で明らかになった尹氏の奇妙な現実認識に国民はすでにうんざりしているが、罷免後も相変わらずの非現実的な強弁は、再び言葉を失わせる。尹氏は官邸退去メッセージでも、「国と国民のための新たな道を探す」と述べ、事実上政治活動を続ける意向を示しながらも、国民への謝罪や憲法裁の決定に対する承服の意を示さなかった。

尹氏の言動からは、過去4ヵ月間、国と国民に与えた害悪と苦痛に対する一抹の反省はおろか、かつて国家最高指導者を務めた者としての最低限の責任感も見当たらない。ただ責任を回避したまま、自己への慰めを通じて合理化しようとする、いわゆる「精神勝利」の極致と言わざるを得ない。ひたすら戦って勝つこと以外、どんな譲歩も妥協も知らなかった検事出身の大統領は、韓国政治をさらに荒涼とさせた。それも飽き足らず、今後新たな政治勢力が正さなければならない自身の失敗まで否定し、勝利と主張する心算はいったい何なのか、ただただ物悲しいばかりだ。

尹氏をこれほど恥も知らない「王様」のように祭り上げているのは、今後彼が行使するかもしれない政治的影響力の残り火にあやかろうとする周辺の側近や政治家たちだろう。尹氏が官邸を離れる際、正門前で大学の学科のジャンパーを着た若者たちと抱擁する場面が演出されたが、彼らは大統領室の要請を受けて来たという。尹氏の周辺に依然としてこのような政治企画者たちが残っており、与党「国民の力」の党内予備選に出馬する候補たちが尹氏に一言でも支持メッセージを懇願する限り、瑞草洞の「私邸政治」は勢いを増す可能性が高い。

尹氏は14日、内乱首謀の疑いを受ける被告人として刑事裁判に出席する。裁判所は尹氏の地下駐車場利用を許可し、被告人席の撮影を不許可とした。司法の審判対象となった歴代大統領が皆、公開で出廷し、法廷撮影も行われたのとは異なる。拘束期間を日でなく時間で計算すべきだとして拘束取り消しになったのに続き、尹氏にのみ適用される相次ぐ例外措置に、「明白な特恵ではないか」という議論が起こるのは無理もないだろう。虚言だけが残った前大統領に今残されたのは、司法手続きによる厳正な断罪だ。