
三星(サムスン)電子とLG電子が、中国産低価格テレビの来襲に対抗して、「人工知能(AI)」テレビで反撃に出ている。ユーザーの好みに合わせたコンテンツの推薦と画質およびサウンドの自動補正、リアルタイムの翻訳など、様々なAI機能を盛り込んだプレミアムテレビで、高付加価値市場を守るという戦略だ。
三星電子は7日、ソウル瑞草区(ソチョグ)の三星江南(カンナム)で新製品の発売イベント「アンボックス&ディスカバー2025」を開催し、AIテレビの新規ラインナップを公開した。三星電子は、AIテレビのラインアップを昨年の9シリーズ34モデルから、今年は14シリーズ61モデルへと増やした。これまでは、AIテレビをネオ量子ドット発光ダイオード(QLED)や有機発光ダイオード(OLED)など、最上位製品群のみ導入したが、中上位クラスのQLEDやザ・フレームへと範囲を広げている。
三星電子映像ディスプレー部のヨン・ソクウ事業部長(社長)は、「今年の(販売)台数は伸びにくいと予想するが、プレミアムを中心にシェアを引き上げたい」と話した。三星電子のイム・ソンテク韓国総括副社長は、「今年はフルラインナップが整えられ、ビジョンAIのような強大な機能が搭載され勝ち目がある」と話した。
ビジョンAIとは、テレビがユーザーの嗜好や目的を把握後、パーソナライズされた経験を提供する技術だ。三星電子のAIテレビは、コンテンツ推薦やリアルタイムでの翻訳、画質・サウンドの最適化など多様な機能を提供する。
LG電子は同日、韓国国内や北米に続き、欧州でAI機能を強化した2025年型OLEDテレビを本格的に発売した。LG電子は、今月から英国やドイツ、スイス、ハンガリーなど8ヵ国でOLEDテレビの新製品を販売し始めた。
LG電子は、差別化された「5大AI機能」を前面に出して、プレミアムテレビのリーダーシップを強化すると強調した。AIテレビの新製品には、時間帯別の使用パターンを分析して「サッカーハイライト視聴」「ゲームコンソール連結」等、オーダーメード型キーワードを提案する「AIコンシェルジュ」、ユーザーの好みに合わせて画面とサウンドを設定する「AIオーダーメードウィザード」のような機能が支援される。
一方、韓国国内OLEDテレビ市場の主導権を巡って、三星とLGの間に「神経戦」が繰り広げられたりもした。三星電子側は、同日の記者懇談会で、「業界最高水準である三星OLEDテレビが、今年韓国でトップにつくだろう」とし、「77インチ以上は、(三星電子の)韓国内シェアが60%だ」と明らかにした。これに対してLG電子は、「三星電子が明らかにしたデータは、LGベストショップと購読販売台数が反映されず実際とは差がある」とし、「家電流通業界を通じて把握すれば、実際の販売台数は、今年1~3月は三星がLGの3分の1の水準だ」と反論した。
パク・ヒョンイク記者 beepark@donga.com






