
トランプ米大統領が韓国に対して25%の相互関税を課すことを明らかにした中、米国側が産出した関税率の計算式をめぐって議論が起こっている。米国は、韓国をはじめ各国が米国に対して課す関税と非関税障壁を考慮したと明らかにしたが、実際には米国に対して黒字を多く出している国ほど高い関税を課すという単純な計算方法が適用されたためだ。トランプ氏が主張した韓国の「自動車貿易障壁」の主張も事実と異なるとの指摘が出ている。
トランプ氏は2日(現地時間)、ホワイトハウスの庭園「ローズガーデン」で、各国に適用される相互関税を発表した。非関税障壁も加味した関税率を相手ごとに算出し、その「半分」を相互関税として課すということだ。韓国に対しては、韓国の対米関税が50%なので25%の関税を課すと明らかにした。
発表直後、米通商代表部(USTR)はホームページを通じて、相互関税の計算式を明らかにし、「輸入の価格弾力性や関税コストを輸入業者が負担する割合などを考慮した」と主張した。しかし、USTRが公開した公式は、各国に対する米国の貿易赤字を輸入額で割った値だった。米国が赤字を多く抱える国ほど、より多くの関税を課すということだ。
実際、昨年の米国の韓国に対する商品収支の赤字は660億ドルだった。これを韓国から米国への輸入額(1315億ドル)で割ると50.2%(百分率換算基準)になる。韓国が米国に対して50%の関税を課しているという主張の背景だ。米国が相互関税率を発表したすべての国に対しても、同じ計算方法が適用された。
トランプ氏は、韓国で販売される自動車10台のうち約8台が韓国製であることも貿易障壁が理由だと主張した。韓国自動車モビリティ産業協会(KAMA)によると、昨年、計163万6千台の自動車が国内で販売されたが、このうち82.3%(134万7千台)がトランプ氏の言う通り国産車だった。輸入車は17.7%(28万9千台)しか売れなかった。
ただし、これを貿易障壁が理由だと見ることはできないというのが専門家たちの指摘だ。米国のケースに絞ってみると、自動車関税はむしろ韓国が米国よりも不利だという。
韓米自由貿易協定(FTA)により、韓国は米国から入ってくるすべての自動車に関税を一切課していない。一方、米国は韓国産貨物自動車(ピックアップトラック)に対し25%の関税を課している。韓米両国は2011年のFTA締結当時、韓国製ピックアップトラックの関税を21年まで課すことにしたが、第1次トランプ政権に41年までに延長された。
韓国自動車業界関係者は、「関税は韓国がむしろ不利な状況であり、米国が緩和を要求してきた輸入車の安全および環境規制も、過去のFTA再交渉の過程ですでに手を加えた」とし「国内で米国車の消費が少ないのは貿易障壁が理由ではなく、米国ブランドの車が韓国に入ってくる際、価格やローカライズ(現地化)の面で魅力的に映らなかったためだ」と指摘した。