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李在明氏「崔相穆大統領代行は身の安全に気をつけろ」、与党「ヤクザが使う言葉」

李在明氏「崔相穆大統領代行は身の安全に気をつけろ」、与党「ヤクザが使う言葉」

Posted March. 20, 2025 08:40,   

Updated March. 20, 2025 08:40


最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が19日、大統領権限代行を務める崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官が馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官候補を任命しないことを受け、「職務放棄罪の現行犯」とし、「国民なら誰でも直ちに逮捕できるので、身の安全に気をつけてほしい」と発言した。巨大野党の代表が大統領権限代行を念頭に「逮捕」や「身の安全」などの表現を使ったことをめぐり、与党からは「支持層に向けて事実上のテロを扇動したのではないか」という批判が出た。与党「国民の力」は、「李氏こそ内乱扇動罪の現行犯だ」と法的措置を検討するとし、民主党の一部からも「慎重ではない発言」という声が出た。

●防弾チョッキを着た李氏「崔氏は身の安全に気をつけなければ」

李氏は同日午前、ソウル・光化門(クァンファムン)で開かれる最高委員会議に初めて出席し、崔氏を強く批判した。李氏はこれまで暗殺テロの脅威を理由に場外集会をはじめ、14日に光化門で開かれた最高委にも参加しなかった。

最近、テロ予告を受け、防弾チョッキを着て会議場に現れた李氏は、会議の終わりに原稿にない即興発言をし、「この前(政府ソウル庁舎で)崔氏が勤務しているようだ」と切り出した。そして、「大統領の職務を代行するという崔副首相が、国憲紊乱行為を平気でやっている」とし、「憲法裁判所法で違憲が確認されれば、直ちにその趣旨に沿った処分をするよう義務づけられているのに、今までしていない」と述べた。さらに、「崔氏は、この瞬間から国民誰でも職務棄権現行犯で逮捕することができるので、身の安全に気をつけてほしい」と発言した。

「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)院内代表は記者会見を開き、「イスラム国(IS)のようなテロリストが言った言葉ではないかと一瞬勘違いした」とし、「明らかに自分の支持者にテロを煽る違法テロ扇動だ」と批判した。さらに、「李氏こそ脅迫罪の現行犯であり、大統領権限代行に対して脅迫を加えたのだから内乱扇動罪の現行犯だ」とし、「崔氏に対して引き続き逮捕を云々し、危害を加える意思を示せば、法的措置も検討する」と述べた。

保守陣営の次期大統領候補らも一斉に李氏を非難した。韓東勲(ハン・ドンフン)前「国民の力」代表は、「ヤクザが使う言葉」とし、洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱(テグ)市長も、「騒ぎを起こさず、刑務所に行け」と述べた。劉承旼(ユ・スンミン)元議員は「『ケッタル(改革の娘)』に大統領権限代行を逮捕しろと扇動するのか」と述べ、改革新党の李俊錫(イ・ジュンソク)議員は「実に低俗だ」と非難した。「国民の力」の安哲秀(アン・チョルス)議員は、昨年凶器テロを受けた李氏に対して、「首を引っかかれた後、死んだように横たわっている姿だ」と話した。これに対し、民主党は安氏を名誉毀損罪で警察に告発することを決めた。

ただ、民主党内でも李氏の発言が度を超えたという指摘が出た。ある2期目の議員は、「『現行犯』という表現は、国民が受け止めるには発言が強いようだ」と話した。

●民主党、崔氏を告発・弾劾を検討

民主党では、李氏の発言を機に、崔氏に対する弾劾訴追案発議の可能性を示唆するなど、圧力のレベルが高まっている。同党は、所属議員全員名義で崔氏を追加告発することも検討している。同党関係者は、「慎重論者も限界に達するほど、崔氏に対する党内の怒りが高まっている状況」と話した。

政界では、李氏が崔氏に対する直接攻勢に出たことをめぐり、憲法裁の弾劾審判の宣告日程が遅れることに対する焦りが反映されたという見方もある。李氏は同日、非公開の最高委員会で、「なぜ憲法裁の決定が早く出ずに遅れているのか」ともどかしい心境を吐露し、党の最高委員たちに対しても、「憲法裁(評議)について詳しい情報を聞いた人がいるか」と尋ねたという。

一方、崔氏側は、「安定した国政運営に専念する」とし、李氏の攻勢に対応しないという立場だ。すでに閣議を経て韓悳洙(ハン・ドクス)首相の弾劾審判宣告まで馬氏に対する任命を保留することを決めたため、野党の圧力に屈しない構えだ。

政府の一部では、李氏の現行犯逮捕発言で、崔氏に対する警護を強化すべきだという主張も出ている。大統領警護処関係者は、「すでに様々な状況に備えた警護体制を維持している」と話した。崔氏も警護強化を要請していないという。


ユン・ダビン記者 クォン・グヨン記者 empty@donga.com