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トランプ大統領、施政方針演説で「金正恩」は一度も言及せず

トランプ大統領、施政方針演説で「金正恩」は一度も言及せず

Posted March. 06, 2025 08:52,   

Updated March. 06, 2025 08:52


トランプ米大統領は4日(現地時間)、上下両院の合同会議で行われた施政方針演説で、北朝鮮の核問題や金正恩(キム・ジョンウン)総書記については言及しなかった。就任初日から正恩氏との「ブロマンス」をアピールし、北朝鮮を「核保有国(nuclear power)」と表現したトランプ氏が、第2次トランプ政権の政策ビジョンを明らかにする施政方針演説では、北朝鮮に一切触れなかったのだ。

トランプ氏は、施政方針演説で主に不法移民や関税など国内問題と経済問題を取り上げた。外交問題は、ウクライナ戦争やガザ戦争、中国などに言及したが、正恩氏と北朝鮮については触れなかった。

韓国政府消息筋は、「まだ新政権が北朝鮮政策をはじめとする外交政策のレビューを終えていないため、第2次トランプ政権の外交安全保障政策の最優先事項であるウクライナ戦争の終結に関する内容しか言及されなかった」と分析した。

ただし、トランプ氏が大統領候補時代と就任後、主要行事で正恩氏に対話のラブコールを送る発言をし、米朝対話の意思を公式化したため、今回北朝鮮に触れなかったことは戦略的な判断の可能性があるという分析もある。

これまで第2次トランプ政権は、第1次政権とは異なる方式の核軍縮や凍結など「スモールディール」推進の可能性を示唆しながらも、「北朝鮮の完全な非核化」が目標であることを同盟国である韓国と日本に再確認するなど、北朝鮮核問題について戦略的な曖昧さを維持している。トランプ氏がある程度、米朝対話の意思について確実なシグナルを送ったため、北朝鮮の反応を待つ次元かもしれない。先月訪韓した米国務省のケビン・キム副次官補(東アジア・太平洋担当)も、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「タンゴを踊るには正恩氏が自ら決定を下さなければならない」と強調した。


申圭鎭 newjin@donga.com