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ハリス氏登板で揺れる米大統領選、民主党支持層が結集か

ハリス氏登板で揺れる米大統領選、民主党支持層が結集か

Posted July. 25, 2024 08:37,   

Updated July. 25, 2024 08:37

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米大統領選挙を約3ヵ月後に控え、共和党大統領候補のトランプ前大統領に傾いていた選挙情勢が再び揺れている。民主党の大統領候補に事実上確定したハリス副大統領を中心に民主党支持層が結集しているからだ。

バイデン大統領の大統領選からの辞退をめぐって混乱に陥った民主党を素早く安定させたハリス氏は、最初の選挙集会からトランプ氏を批判した。また、一部の世論調査では、トランプ氏を僅差でリードすることもあった。当初、忠実な支持層に加え、暗殺未遂事件直後に開かれた全米党大会の「コンベンション効果」で固まりそうだった「トランプ大勢論」が、ハリス氏の上昇の勢いで後退しているのだ。

●ハリス氏、一部世論調査で僅差でリード

ロイター通信は23日(現地時間)、「22~23日に世論調査会社イプソスと共に行った世論調査で、ハリス氏が44%の支持率でトランプ氏(42%)を誤差範囲(±3%)内で上回った」と報じた。今回の調査は、バイデン氏が大統領選辞退を発表した21日以降に実施されたものだ。トランプ氏が銃撃を受けた後、民主党候補が支持率でリードしたのは初めて。

特に、ハリス氏は無所属候補のロバート・ケネディ・ジュニア氏を含む3者対決では支持率42%でトランプ氏(38%)を誤差の範囲外で上回った。ハリス氏は同日発表された公共ラジオ「NPR」と公共放送「PBS」の共同世論調査では、45%の支持率でトランプ氏(46%)と接戦となった。

ハリス氏は、バイデン氏の辞退翌日に民主党候補指名のための代議員の過半数を確保し、前日のペロシ元下院議長に続き、23日には民主党の上院トップのチャック・シューマー院内総務や下院トップのハキーム・ジェフリーズ院内総務の支持も受けた。

●「トランプ氏は犯罪者」フレームを強調

ハリス氏は同日、トランプ氏が共和党大統領候補として公式に指名されたウィスコンシン州ミルウォーキーで初の選挙集会を行った。競合州であるウィスコンシン州でトランプ氏に対する本格的な攻勢を開始したのだ。ハリス氏は前日に続き、再び「トランプ氏は34件の重罪容疑で起訴された」と述べ、司法リスクを強調した。また、「自由と思いやり、法治の国で暮らしたいのか、それとも混沌と恐怖、憎しみの国で暮らしたいのか」とし、「トランプ氏は米国を後退させようとしているが、私たちは戻らない」と主張した。

ハリス氏は、比較的若い検事出身の女性政治家というアイデンティティを掲げ、「検事 対 重犯罪者」と「未来 対 過去」、「自由 対 混乱」で大統領選の構図を再編成しようとする狙いがうかがえる。

バイデン氏は24日、対国民演説を行う予定だ。バイデン氏はX(旧ツイッター)に、「残りの任期、国民のために国政をどのように仕上げるかを伝える」と明らかにした。新型コロナウイルス感染症から回復してホワイトハウスに復帰したバイデン氏は、候補辞退の背景やハリス氏の支持理由なども説明するという。

●共和党は「暴言リスク」を懸念

ハリス氏の善戦に共和党も大統領選挙戦略を修正し、対策準備に乗り出した。共和党は、ハリス氏が不法移民及び犯罪対応の失敗の責任者であることを強調している。政治専門誌「ザ・ヒル」によると、トランプ氏選挙陣営の世論調査員であるトニー・ファブリツィオ氏は、「短期的には世論調査結果が変わり、ハリス氏の支持基盤も固まるかもしれないが、ハリス氏が誰なのかは変わらない」とし、「『ハネムーン』は終わり、有権者はハリス氏がバイデン氏の副操縦士だったことに集中するだろう」と述べた。

共和党指導部は、ハリス氏の人種や性別に対する攻撃を控えるよう警告も出した。一部の共和党議員による黒人と女性であることを理由に特恵を受けたという主張を遮断したのだ。

トランプ氏と副大統領候補のJ・D・バンス上院議員の過去の発言を取り上げ、人種と性別の問題が大統領選挙で重要に扱われるという観測も流れている。トランプ氏は、共和党予備選でインド系のヘイリー元国連大使のインド式名前を嘲笑して物議を醸した。バンス氏も2022年、ハリス氏が出産経験がないことに対し「『子どものいない惨めな人生を送るキャット・レディー(猫好きの女性)』は自分の人生だけでなく、国家のためにも悲惨な決断を下した」と発言して物議を呼んだ。

一方、暗殺未遂に遭ったトランプ氏は、米シークレットサービス(大統領警護隊)の勧告により、当分の間、屋外の選挙集会を中止し、屋内中心に選挙集会を行う予定だ。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com