
トランプ前米大統領が、2016年の大統領選挙を控えて元不倫相手への口止め料を隠すために業務記録を偽造した、いわゆる「不倫口止め料」刑事裁判で、先月30日(現地時間)、有罪とされた。この容疑で昨年3月に刑事起訴されたトランプ氏は、裁判で有罪が認められた初の大統領経験者という汚名も背負った。
トランプ氏は、「私は無罪だ」とし、「本当の評決は(大統領選がある)11月5日、国民によってなされる」と反発した。米大統領選挙には、35歳以上の市民権者、14年以上の米国居住者であれば出馬が可能だ。
ニューヨーク州のマンハッタン裁判所の「不倫口止め料」事件の陪審員は同日、トランプ氏の34件の容疑をすべて有罪と判断した。検察側は、トランプ氏がポルノ女優のストーミー・ダニエルズ氏に不倫の口止めのために、顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏を通じて13万ドル(約1億7千万ウォン)を渡し、コーエン氏に返済する際に、家族会社であるトランプグループの「弁護士費用」と偽って処理したとして、トランプ氏を起訴した。
陪審員は検察側を支持した。当初、審理に数日かかるとの見方もあったが、10時間で満場一致の評決が下された。34件の容疑は、それぞれ偽造された小切手や請求書などの総件数だ。ニューヨーク州で他の犯罪を隠蔽する目的で事業文書を偽造することは重罪だ。
トランプ氏が大統領選で対決するバイデン大統領側は、「法の上に誰もいないことを示した」と歓迎した。判決は7月11日に言い渡される。トランプ氏が共和党の大統領候補として公式選出される共和党全党大会(7月15~18日)の開幕4日前だ。
金玹秀 kimhs@donga.com