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「引き算ばかりしていて勝つことを願ったのか」

「引き算ばかりしていて勝つことを願ったのか」

Posted April. 12, 2024 09:22,   

Updated April. 12, 2024 09:22

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#1=総選挙5日前、普段から政治にとても関心を持つ大学の後輩から、「国民の力は、なぜ改革新党と力を合わせないのか」と尋ねられた。無造作に「すでに手遅れで、党が李俊錫(イ・ジュンソク)を嫌っている」と短く答えた。後輩は、「30代男性票を多く持っている人を追い出しておいて、国民の力はなぜ20代や30代について論じるのか」と話した。

#2=与党の関係者は、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府は連合政府だ」と話した。どういうことかと聞いたら、「尹大統領支持者の他にも、それぞれ洪準杓(ホン・ジュンピョ)や劉承旼(ユ・スンミン)、李俊錫、安哲秀(アン・チョルス)を支持する人々が、文在寅(ムン・ジェイン)や李在明(イ・ジェミョン)でなければ良いとし、宇宙の気運を集めてかろうじて0.73%差の勝利を作った」と話した。そのうえで「尹大統領はそうやって大統領になったのだが、劉承旼を追い出し、李俊錫を追い出し、安哲秀を追い出そうとした」と話した。

国民の力は総選挙で惨敗した。ある意味では、予定されていたことかも知れない。今の与党は、政権を取って以来、「引き算の政治」ばかりしている。真っ先に劉承旼氏を追い出した。劉氏は、大統領選挙の予備選挙で負けて京畿道(キョンギド)知事に挑戦したが、与党の主要関係者は「尹心(尹大統領の意向)」だとして劉氏を引き下ろした。その後、劉氏は「国民の力」から遠ざかった。少なからぬ中道の支持が離脱した。

次は、当時の李俊錫党代表だった。親尹系(尹大統領系)は、大統領選挙の過程で尹大統領と大声で衝突を起こした李氏が党権を握り続けることを望まなかった。外見上は懲戒処分だったが、事実上追い出した。そのように多くの30代男性の票も消えた。

引き算は続いた。昨年の3・8党大会の局面で、大統領室は党代表になろうとした羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)元議員を「公職(少子高齢社会委員会副委員長)をもって自分の政治をしている」と攻撃し、跪かせた。羅氏は正統保守層で人気が高い。安哲秀議員が、「尹・安(尹大統領と安氏)連帯」について語ると、大統領室は「安議員は、尹心候補を自任する資格がない」と攻撃した。安氏はなんといっても大統領選の予備候補だった。

先の大統領選で緻密なスクラムを組んだ保守陣営は、そういう風に緩んだ。隙間が開いたところから、有権者が抜け出した。大統領の支持率は、30%台から抜け出せなかった。にもかかわらず、総選挙が近づいても、隙間を埋める様子は見られなかった。

総選挙の民心を肌で感じられる季節になると、首都圏候補たちの懸念が吹き出し始めた。首都圏危機論を先頭に立って警告してきた当選4回の重鎮、尹相現(ユン・サンヒョン)議員は「私たちの内部に、癒しにくい癌の塊のようなものがある。足し算の政治より引き算の政治の流れが強いということだ」と話した。引いてばかりいながら、どうやって選挙が戦えるのかということだ。

首都圏の情勢が、惨敗した第21代総選挙に劣らないという叫びが先月の国民の力を覆った。「絶体絶命の状況だ。誰でも選んではならない」(金聖泰ソウル圏域選対委員長)とし、劉氏らを追い出した人々に対し、再び手を差し伸べようという声も公に出た。だが、韓東勳(ハン・ドンフン)非常対策委員長は、「考えたことはない」と一蹴した。これまで保守党は四分五裂しても、選挙の局面では団結するふりをしたが、今回はそうするふりもしなかった。

足し算はなく引き算ばかりしていた与党の総選挙の結果はどうか。総選挙の最終日、韓氏と候補たちは、「ちょうど一票が足りない」と泣訴した。すでに持っていた票を投げ出しておいて、最後にもう一票を加えたとしても勝利できただろうか。