Go to contents

トランプ氏がアイオワ州党員集会で圧勝した日、金正恩氏「通米封南」の危険な賭け

トランプ氏がアイオワ州党員集会で圧勝した日、金正恩氏「通米封南」の危険な賭け

Posted January. 17, 2024 08:23,   

Updated January. 17, 2024 08:23

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、トランプ前米大統領の再選の可能性を念頭に置き、米国の次期政権と核保有国認定の取り引きを試み、対南対話の完全断絶という危険な賭けを始めた。16日、北朝鮮メディアによると、金正恩氏は、「韓国は不変の主敵」の憲法明記、祖国平和統一委員会(祖平統)などの対南機構の廃止など、南北関係を抜本的に変えるよう指示した。トランプ氏は同日、米大統領選挙に向けた野党・共和党の候補者選びの初戦であるアイオワ州の党員集会で51%の得票で勝利し、大勢論に火をつけた。

韓国政府は、金正恩氏が朝ロ、中朝密着を基に新たな対南・対米戦略を公言したと見ている。政府関係者は、「金正恩氏は、トランプ氏が11月の米大統領選で政権を握る可能性が高いと判断したようだ」とし、「この場合、米朝間で北朝鮮の核凍結と制裁解除の交渉が可能と見て、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権をこの取引から除外する『通米封南』を図る考えを露わにした」と指摘した。別の当局者は、「トランプ氏と金正恩氏の利害が一致する可能性が高いため、トランプ氏が当選した場合、尹政府の対北朝鮮、外交安保政策に最も大きな挑戦になるだろう」と話した。政府は、韓国を主敵と規定し、戦争の可能性まで示唆している金正恩氏が、4月の総選挙を前に、韓半島の軍事的緊張の責任を現政権に押し付け、国論を分裂させ国内の対立を引き起こす対南心理戦と見ている。

北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、金正恩氏が前日開かれた最高人民会議の施政演説で、「憲法から自主、平和統一、民族大団結などの表現を削除し、韓国を『第1の敵対国、不変の主敵』と見なすよう教育する内容を反映せよ」と指示した。また、戦争が起きた場合には、韓国を「完全に占領、平定」して自国領に編入する問題を憲法に反映させる必要性を主張した。北朝鮮は同日、南北会談と交流業務を担当する祖平統と民族経済協力局、金剛山(クムガンサン)国際観光局を廃止した。

これに対し、尹大統領は同日、閣議で、「北朝鮮政権自ら反民族的で反歴史的な集団ということを認めた」とし、「『戦争か平和か』という脅迫はもはや通用しない」と述べた。大統領室関係者は「金正恩氏の心理戦に揺るがないというメッセージだ」と話した。


尹完準 zeitung@donga.com