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ピアノを持ち込むピアニスト

Posted January. 02, 2024 08:14,   

Updated January. 02, 2024 08:14


「自分の楽器を持ち歩くのはソリストたちの慣行です。ヴァイオリンの女王とも呼ばれるアネゾフィームターもストラディバリウスバイオリンを持ち歩いていたでしょう」

1975年ショパンコンクール優勝者のポーランド人ピアニスト、クリスティアン·ツィメルマン(68)が今月3、5、10日の3回にわたって、ソウル松坡区(ソンパグ)のロッテコンサートホールで4度目の来韓リサイタルを開催する。

「ピアノを持ち込むピアニスト」として知られる彼は、今回の舞台のためにヨーロッパからピアノを直接運び込む予定。2019年と2022年の韓国公演で、ピアノの鍵盤とアクション(鍵盤と接続されピアノの弦を叩く装置)を持ち込み、演奏会場のピアノに設置したことがある。

ツィメルマンを特徴づける修飾語は「完璧主義者」。1999年にはショパン没後150周年を迎えて、ショパンのピアノ協奏曲第1番と第2番を演奏するために「ポーランド祝祭管弦楽団」を直接結成。公演中に無断録音や撮影が疑われる場合は、すぐに演奏を中断する。2003年ソウル芸術の殿堂コンサートホールで行われた初の韓国公演では、舞台の天井に吊るされた放送用のマイクを録音用と勘違いして直接線を切ろうとして関係者を驚かせた。

自分が演奏するすべての会場の音響特性をコンピューターに入力し、事前にピアノを調整する。最上の演奏を維持するため、公演回数は年15回以下に制限する。ピアノを直接持ち込み、それが無理なら鍵盤とアクションだけでも運び込む。これは先輩ピアニストのイタリアのアルトゥーロ·ベネデッティ·ミケランジェリ(1920~1995)とも似ている。違うのは、青年時代にピアノの部品製作に参加したツィメルマンは、調整道具で直接ピアノを細部まで調整するという点。

繊細そうな印象から頻繁に風邪をひくなど呼吸器疾患を抱えていることまで、祖国の偉大な作曲家ショパンを連想させる。今回の公演1部は夜想曲4曲とソナタ第2番などショパンの曲で飾る。第2部ではドビュッシーの「版画」とポーランドの作曲家シマノフスキの「ポーランド民謡の主題による変奏曲」を演奏する。ツィメルマンは、シマノフスキのピアノ作品集で2023年グラモフォン・ピアノ賞を受賞している。

ピアノはポーランドのカトヴィツェ音楽院で学んだ。ショパンコンクールで優勝した後、ピアノ界で最も有望な演者の一人としてドイツ·グラモフォン(DG)に所属し、ヘルベルト·フォン·カラヤンが指揮するベルリン·フィルハーモニー管弦楽団とはシューマンとグリーグのピアノ協奏曲アルバムを、芸術的キャリアや個性においていつもカラヤンと比較されるレナード·バーンスタインが指揮するウィーン·フィルハーモニー管弦楽団とはベートーベンのピアノ協奏曲集を録音した。


ユ・ユンジョン文化専門記者 gustav@donga.com