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妻の写真が入ったカバンをなくした男性に100通の励ましの電話

妻の写真が入ったカバンをなくした男性に100通の励ましの電話

Posted December. 23, 2023 08:11,   

Updated December. 23, 2023 08:11

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「愛する妻との思い出が詰まった大切なカバンを取り戻して本当に嬉しいです」

2年前に亡くなった妻の写真や映像が入った補助記憶装置(USBメモリ)が入っていたカバンを紛失した70代の男性が、周囲の助けでカバンを取り戻した。

空港鉄道公社によると、22日、エネルギー管理士として働くコ・ドンスンさん(76)は8日午後、仁川市桂陽区(インチョンシ・ケヤング)の空港鉄道桂陽駅でノート型パソコンとUSBメモリ、携帯電話などが入ったバックパックを紛失した。地方から帰ってきて桂陽駅の駐車場で車を運転して帰宅した後、紛失に気付いたという。

コさんは21日、東亜(トンア)日報の電話取材に対し、「車に乗る直前に、駐車場の横の道路にカバンを置き忘れたことに気が付いて桂陽駅に戻ったが、カバンが見つからなかった。額から汗が流れ出し、足が震えた」と話した。カバンの中のUSBメモリには妻の生前の姿と葬式などを撮影した写真や映像が全て入っていたからだ。コさんと結婚して3人の子供を授かり49年間連れ添った妻は、乳がんを患い、2021年に73歳で亡くなった。

また、 USBメモリとノート型パソコンにはエネルギー管理士として働きながら16年間作成した業務記録も入っていた。妻の写真や映像、業務記録などをバックアップしていなかったので、すべて失ってしまうところだった。

コさんは結局10日、桂陽警察署に遺失物届を提出した。また、警察に任せきりにせず、周囲に直接助けを求めた。16日には桂陽駅付近10ヵ所に「カバンの中には先に亡くなった妻に関する情報が入っているUSBや妻が使っていた携帯電話もあります。ひとりの人間の命を救うつもりで返してくれれば、必ずお礼します」というチラシを貼った。

切々と訴える内容に100通近い電話がかかってきたが、カバンを見つけることはできなかったという。電話のほとんどは「頑張ってください」、「カバンが必ず見つかるように祈ります」といったものだった。

警察は、桂陽駅と周辺の防犯カメラを通じて、コさんが紛失当日にカバンを背負わずに駅舎を出る姿を確認し、電車にカバンを置き忘れた可能性が高いと伝えた。結局、コさんは21日、空港鉄道遺失物センターで自分のかばんを見つけた。

コさんは、「先に世を去った妻が恋しい時、写真と映像を見るために普段カバンに入れて持ち歩いた。大切なカバンを見つけるよう関心を示し、力を貸してくださった人々に感謝申し上げる」と話した。


黃金泉 kchwang@donga.com