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「強制送還された妹を助けてください」国連で涙の訴え

「強制送還された妹を助けてください」国連で涙の訴え

Posted December. 09, 2023 09:26,   

Updated December. 09, 2023 09:26

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英国在住の脱北女性、キム・ギュリさんが最近、北朝鮮に強制送還されたと推定される妹を探すために国際社会の助けが必要だと、米ニューヨークの国連本部で涙ながらに訴えた。脱北後、中国に居住していた妹のチョルオクさんは今年4月、英国に行こうとしたが、中国公安に捕まり、10月9日頃に北朝鮮に送還されたと推定される。

キムさんは7日(現地時間)、国連本部で開かれた国際刑事裁判所(ICC)締約国総会の付帯行事の討論会「北朝鮮人権のための創造的な責任解明の道筋を求めて」で、「妹を家族のもとに返してほしい。中国から北朝鮮に強制送還された人々を助けてほしい」と訴えた。キムさんは、「妹がどこに行ったのか誰も分からない」とし、生死だけでも確認したいと涙を流した。

キムさんは、食料難で最大数百万人の北朝鮮住民が死亡した「苦難の行軍」の時期である1997年に脱北し、英国に定住した。その後、欧米先進国で比較的平坦な生活を送ったが、妹のチョルオクさんの人生は波乱万丈だった。チョルオクさんは14歳だった98年、「中国に行けば腹いっぱい食べられる」というブローカーの言葉に騙されて脱北した。しかし、すぐに北東部吉林省の奥地の農村に売られ、そこで30歳年上の中国人男性と結婚し、16歳で娘を出産するなど大きな苦難を経験した。

キムさんは、「2019年に妹と偶然連絡が取れた」とし、すぐに英国に連れて来たいと思ったが、新型コロナウイルスの感染拡大などでそうすることができなかった。今年4月にタイ経由で英国に入国しようとしたが、中国公安によって挫折したと打ち明けた。姪となるチョルオクさんの娘との電話で、妹の強制送還を知ったという。

米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、米国務省のジュリー・ターナー北朝鮮人権担当特使は同日、映像メッセージを通じて、「北朝鮮の持続的な人権侵害と虐待について深い懸念を表明する」とし、「北朝鮮に生存しているかもしれない拉致被害者、国軍捕虜などには時間がない。このような事件を優先しなければならない」と国際社会の関心を呼びかけた。ターナー氏は、「度重なる国連決議にもかかわらず、北朝鮮の人権侵害に関する責任の解明には進展がない」とし、北朝鮮制裁に消極的な中国、ロシアも批判した。


パク・ヒョモク記者 tree624@donga.com