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ソウル市、蚕室に「ホテル」込み3万席のドーム球場建設へ

ソウル市、蚕室に「ホテル」込み3万席のドーム球場建設へ

Posted September. 19, 2023 08:45,   

Updated September. 19, 2023 08:45

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「ホテルの客室からも野球試合を全部見ることができますね」

16日午後4時(現地時間)、カナダ・トロント市のマリオットシティセンターホテルの客室。北米を出張中の呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は、窓ガラスから開閉型ドーム球場「トロント・ロジャースセンター」を眺めながらこのように話した。窓越しのドーム球場では、米大リーグ、トロント・ブルージェイズ対ボストン・レッドソックスの試合が真っ最中だった。ホテルと4万1000席規模の野球場が連携し、客室からも試合を観戦できる。

ソウル市は18日、ロジャースセンターのような大規模なドーム球場と世界的水準の「スポーツ・マイス(MICE=国際会議褒賞観光コンベンション展示)複合団地」を、松坡区蚕室(ソンパグ・チャムシル)総合運動場一帯に建設すると明らかにした。呉市長は、「野球を見る目的もあるが、家族連れで楽しめる施設が充実しているのが印象的だ」とし、「私たちも、ホテルと連携してドーム球場を建設する案について検討している」と話した。

●3万席以上の国内最大のドーム球場建設

ソウル市が推進している野球場は3万席以上で、国際試合の誘致が可能な国内最大のドーム球場だ。ロジャースセンターをベンチマーキングして、内・外野を循環する360度開放型コンコース(観客席と連結された廊下空間)とスカイボックス・フィールドボックス・ファミリーゾーンなど、様々なプレミアム席が導入される予定だ。

ドーム球場は、雨天や猛暑など悪天候の影響をほとんど受けないというメリットがある。オールスターゲームが開かれる約1週間のレギュラーリーグ休止期とオフシーズンには、大規模な公演場またはイベント会場としても活用できる。

ただ、蚕室ドーム球場は、屋根を開閉できる開閉型ロジャースセンターとは違って、屋根を開けられない閉鎖型で建てられる。ソウル市の関係者は、「開閉型で建設すれば、当初の計画より総事業費が20%以上超過し民間資本適格性再調査を受けなければならないため事業推進が難しくなりかねない」とし、「住居地域と隣接しており、騒音と振動を考慮した時、閉鎖型で建設した方が良いという意見も多かった」と明らかにした。

蚕室ドーム球場は、野球場が見える客室120室を含め、計300室の客室を持つホテルと連携して建てられる。ソウル市の関係者は、「ホテルと連係して野球場が建てられるのは、ロジャースセンターに続き世界で2番目だ」と説明した。ソウル市の目標は、2026年初めに着工し、2031年末に完成することだ。計画通り進めば、2032年のシーズンから蚕室ドーム球場でプロ野球を観覧できるようになる。工事費は約5000億ウォンが投入される。

ソウル市の蚕室ドーム球場の建設発表に、プロ野球界は頭を悩ませている。蚕室野球場を本拠地として使うLGツインズと斗山(トゥサン)ベアーズは、足元に火がついた。工事が予定されている2026シーズンから2031シーズンまでの6シーズンの間、臨時のホーム球場で試合を行わなければならないためだ。プロ野球界では、一つの球団は、キウム・ヒーローズと共にソウル九老区高尺(クログ・コチョク)スカイドームを使用し、もう一つの球団は、現在アマチュア専用で活用しているソウル陽川区木洞(ヤンチョング・モクドン)野球場を活用する案が取り沙汰されている。

●コエックスの2.5倍のスポーツ・展示コンベンション施設も

ソウル市は、蚕室一帯にドーム球場を含め、コエックスの2.5倍に達する「先端スポーツ・展示コンベンション施設」を造成する方針だ。漢江、炭川(ハンガン・タンチョン)と連携して水畔生態文化空間も作る。ソウル市の関係者は、「世界的水準の『スポーツマイス複合団地』であり、新しい文化産業拠点になるだろう」と明らかにした。

呉市長は19日(現地時間)、年間売上2兆4000億ウォンと雇用誘発効果が約1万6000人に上る米ニューヨーク市のジャヴィッツセンターを訪問し、蚕室一帯に建設されるスポーツ・展示コンベンション施設のアイデアを得る計画だ。


トロント=チョン・ヘジン記者 イ・ホンジェ記者 sunrise@donga.com · uni@donga.com