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絶滅の加速度

Posted August. 28, 2023 08:22,   

Updated August. 28, 2023 08:22

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「世界保全運動は、続いている絶滅を一時的に減速させたものの、中断させたものではなかった。絶滅の速度は加速し続けている」(エドワード・ウィルソンの「地球の半分」)

韓国社会で環境を保護しようという言葉は、政治と経済が支える大規模な国策事業の前では無気力だった。地域の小さな開発事業も変わらなかった。生態系を保全しようという言葉に反対する人はいないが、保全のために開発の利益を放棄しようという主張は力がない。果たして、これまで環境運動が守ってきたことがどれだけあるのか、今後も守る力があるのかという疑問もなくはない。

著者は、「今我々に迫っている絶滅の速度はそれより速い」とし、さらに挑戦的な目標を提示した。地球の半分を自然保護区域にすることだけが、「6番目の絶滅」の唯一の解決策だという。また「世界中の保全区域を広げようと努力する人々に、もう少し努力してほしい」と「懇請」した。ウィルソンは、歴史的な進展だったと評価される昆明-モントリオールグローバル生物多様性フレームワークの採用を見ることができず、2021年に他界した。

国際社会は、2050年までに地球の半分を保護するために奔走している。単なる保全主張を超えて、空間計画と財政的手段などを総動員している。欧州は2030年の生物多様性戦略目標を法制化する自然復元法を今年7月に可決させ、中国と日本は世界貿易機関(WTO)の有害水産補助金の撤廃決議に参加した。企業が保有している自然資産に対する影響を公示する自然資本関連財務情報公開協議体(TNFD)の最終勧告案も、9月に発表される予定だ。

無気力だった保全運動の限界を振り返ることから再び始める。そして国際社会の新しい流れの中で、私たちの限界を乗り越えてさらに挑戦的な目標を達成していくための長い呼吸を準備する。現世代が失敗するだけに、絶滅速度は加速する。