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韓米金利差が史上最大、「予想通り」と油断している場合じゃない

韓米金利差が史上最大、「予想通り」と油断している場合じゃない

Posted July. 28, 2023 08:27,   

Updated July. 28, 2023 08:27


米連邦準備制度(FRB)は昨日、基準金利を0.25%引き上げた。昨年3月以降11回目の引き上げであり、先月の据え置き以来1ヶ月ぶりに再び緊縮に乗り出したのだ。2%台の物価上昇率を達成すると同時に、米経済が軟着陸しているという自信が反映された決定だ。今回の引き上げで、米基準金利は22年ぶりに最も高い年5.25~5.50%になった。韓国の基準金利は1月の引き上げを最後に年3.5%にとどまっており、両国の金利差は2.0%ポイントまで広がった。一度も経験したことのない格差だ。

韓国政府と韓国銀行は、「予想に合致した結果」と評価したが、対外依存度の高い韓国としては相当な負担を抱え込むことになった。さらに高い金利を追って外国人の資金が流出し、ウォン安が進むなど、金融市場の不安を懸念せざるを得ないためだ。幸いなことに、ウォン相場は最近1ドル=1270ウォン台前後で動き、外国人の株式・債券投資資金は5ヶ月連続で純流入の基調を見せているが、ただ安心する状況ではない。

今回が事実上最後の利上げになるという観測に重きが置かれるが、FRBのジェローム・パウエル議長は9月の金利引き上げと据え置きの可能性をともに明らかにし、韓米金利差がさらに拡大する可能性があるためだ。パウエル議長は、「年内の金利引き下げはない」と釘を刺しており、史上最大に広がった金利逆転は相当期間続くものと懸念される。

問題は、過去の金利逆転の時期とは違って、今回は輸出低迷と貿易収支の赤字など実体経済の低迷が伴われ、金利格差に耐える余力が足りないことだ。第1、2四半期に辛うじて逆成長を免れ、年間成長率の予測値が日増しに下がるなど、景気低迷が続く状況で、韓銀が金利引き上げで対応することも容易ではない。危険な水準に達した家計負債も不安要素となっている。融資金利が再び変動する中、銀行圏の家計向け融資は、先月だけで6兆ウォンほど伸びた。

さらに、FRBの金利引き上げの再開で米地元銀行などの金融不安が再現し、商業用不動産の低迷が深刻化すれば、韓国国内金融圏も衝撃は避けられない。国内証券会社各社の海外不動産への投資規模は15兆5000億ウォン、2年以内に満期が到来する海外不動産ファンドは30兆ウォンに迫るが、すでに一部のファンドは償却処理されるなど、危険な兆候が現れている。外部衝撃が加えられれば、金融市場は手の施しようもなく揺れ、急激な資本流出が発生する可能性があるという意味だ。

政府と通貨当局は、対内外の危険要因を先制的に察し、金融市場の変動性に徹底的に備えなければならない。韓日通貨スワップに続き、他国の中央銀行と通貨スワップ協定を結び、「ドルの安全弁」を確保することも必要だ。今すぐ韓米金利の差による不安が現れないからといって、安心する場合ではない。