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ウクラ発穀物危機に「激しい豪雨」まで襲った食料品価格

ウクラ発穀物危機に「激しい豪雨」まで襲った食料品価格

Posted July. 19, 2023 08:33,   

Updated July. 19, 2023 08:33

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物価管理に再び赤信号が灯った。未曾有の激しい豪雨で農産物価格が高騰しているうえ、欧州最大の穀倉地帯であるウクライナの穀物輸出が中断される危機に直面し、グローバルアグフレーションの津波が押し寄せているためだ。高騰する食料品価格が落ち着きを見せていたインフレの火種を蘇らせる恐れがあるという懸念が高まっている。

農林畜産食品部によると、先週の大雨で被害を受けた農地は2万7000ヘクタールに達した。ソウル汝矣島(ヨイド)面積の93倍を超える規模だ。すでに史上最大級の猛暑で揺れていた農産物の価格は、この影響で垂直上昇した。昨日の卸売価格基準では、ほうれん草は1週間で51%、1ヵ月間で219%高騰し、サンチュ(195%)、オルガリ白菜(113%)なども1ヵ月前より100%以上高騰した。まだ被害届が出ていない山地が多く、今週も集中豪雨が続いており、農耕地の浸水にともなう農産物価格の高騰傾向は続きそうだ。

韓国だけでなく、猛暑や干ばつなどの異常気象が世界各地を襲い、国際穀物価格も高騰している。先月、国際砂糖価格はサトウキビの最大産地であるインドとブラジルの干ばつで12年ぶりに最も高く、カカオ豆の価格は、アフリカ豪雨で46年ぶりに最高値を更新した。さらにロシアが戦争中にもウクライナの穀物輸出を可能にした「黒海穀物輸出協定」を終了すると、17日宣言した。ウクライナは、世界トウモロコシ輸出の12%、小麦輸出の9%などを占めており、輸出の道が再び閉ざされれば、戦争勃発直後に経験した世界的な食糧価格の高騰が再燃しかねない。

生鮮食品と輸入穀物価格の同時上昇は、加工食品と外食物価はもちろん、生活物価全般の上昇傾向を煽る要因となっている。このため、落ち着きの兆しを見せていた消費者物価が、再び上昇する可能性も排除できない。先月、農産物・石油類を除いた根源物価の上昇率は3.5%で依然として高く、来月から順次、ソウルのバスと地下鉄などの公共交通料金が引き上げられるなど、物価上昇の圧力は続いている。

家計が感じる体感物価は依然として高いのに、食料品値上げの恐怖まで加わると、消費心理が萎縮し、これによって景気回復はさらに遠ざかる悪循環に陥りかねない。食料品価格を上昇させる要因を抑える対策を早急に打たなければならない理由だ。政府は農・畜・水産物の備蓄物量を最大限放出し、需給安定に万全を期さなければならない。物価安定に水を差す談合や便法的な価格引き上げなどに対しても、積極的に対応する必要がある。中長期的には慢性化するグローバル・アグフレーションに備え、輸入先を多角化し、食糧の給率を高める努力に拍車をかけなければならないだろう。