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韓国の文化領土を広げてきたBTSの10年

韓国の文化領土を広げてきたBTSの10年

Posted June. 14, 2023 07:56,   

Updated June. 14, 2023 07:56

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このごろ、ソウルの夜景は紫色だ。日が暮れると、南山(ナムサン)ソウルタワーは紫色の照明をつけ、ソウル漢江(ハンガン)沿いでは紫色の噴水ショーが繰り広げられる。13日、世界的なボーイズグループ防弾少年団(BTS)のデビュー10周年を迎え、グループの象徴色である紫色の祭りが真っ最中だ。世界から集まった「ARMY」たちが、BTS所属事務所の龍山(ヨンサン)社屋、米トークショーを撮った景福宮(キョンボクグン)、練習生時代にダンスの練習をした江南鶴洞(ハクドン)公園を「聖地巡礼」し、BTSの10周年を祝っている。

BTSの10年間は、Kポップを越えて世界大衆歌謡の歴史を書き直してきた10年だ。新生芸能事務所の「土の匙・グループ」だったが、最初から世界1位の米国市場の攻略に目標を据えた。2020年、Kポップ初のビルボードチャートホット100の1位につき、ビルボード史上初めて英語歌詞ではない歌で頂上を踏んだ。これに先立って、2019年は英ロンドンのウェンブリースタジアムでアジア人歌手として初めて単独公演を行った。地元メディアによると、「Kポップのインベイジョン(侵攻)」であり、「BTSが歴史を作った」瞬間だった。BTSの登場後、Kポップ市場は、欧米にまで拡大し輸出国が2倍増え、アルバム輸出額も8倍以上成長して、2022年には2億3100万ドルを越えた。「BTSは、Kポップの領土を拡張した広開土(クァンゲト)大王のような存在」という。

BTSの「ソフトパワー」が誘発した韓国国内の経済効果は、10年間で42兆ウォンと試算される。グーグル検索件数で測定したBTSの認知度が1ポイント上がる度に、外国人観光客数と服・化粧品・食べ物の輸出額は、0.18~0.72ポイント伸びるという分析もある。しかし、BTSの特別さは商業的成功に止まらないことにある。世界青年代表として3回も国連総会に参加し、「変化に怯えないでほしい」と勇気を与え「気候変化に関心を」と呼びかけた。多様な職業と人種と世代と共に国際手話で踊る「パーミッション・トゥ・ダンス」のプロモーションビデオは、コロナ禍の中、世界の人々のための応援歌だった。英国のビートルズが「イマジン」で反戦を訴えたように、力を合わせればパンデミックに勝てるという希望を伝えたのだ。

BTSの成功とネットフリックスの機会をつかんだKドラマのおかげで、韓流はもはや少数マニア層ではなく、世界の一般人が楽しむ主流文化になりつつある。昨年、音源と映像などで稼いだ収入と支出を比較したいわゆる「韓流収支」は、12億3500万ドルの黒字で史上最大値を記録した。斬新なアイデアと挑戦精神で武装したエンターテイナーたちが、世界の人々を泣かせ、笑わせながら文化領土をさらに広げていくことを期待する。