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北朝鮮「固体燃料ICBM」挑発、韓米は核抑止の決意を示すべきだ

北朝鮮「固体燃料ICBM」挑発、韓米は核抑止の決意を示すべきだ

Posted April. 14, 2023 08:24,   

Updated April. 14, 2023 08:24

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北朝鮮が13日午前、平壌(ピョンヤン)付近から中長距離級弾道ミサイルを東海(トンへ・日本海)に発射した。移動式発射台(TEL)から高角で発射されたこのミサイルは、最大高度2千キロまで上昇し、1千キロ飛翔した。正常に発射されれば、3千~4千キロ飛翔し、米グアム基地を攻撃することができる。軍関係者は、「新しい体系の中距離ミサイルまたは大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したと判断される」とし、北朝鮮が2月の軍事パレードで公開した新型固体燃料ICBMを発射実験した可能性を示唆した。

「太陽節」(故金日成主席の誕生日)を2日後に控えた今回の発射が固体燃料ICBMの実験であると確認されれば、北朝鮮が核武装体制の完成に向けた事実上の最終関門に入ったことを示す。北朝鮮はすでに各種短距離ミサイルに固体燃料を使用しているが、2段、3段ロケットが必要な長距離ミサイルには液体燃料を使用してきた。液体燃料ICBMは移動と燃料注入に時間が必要なため、発射兆候が事前に把握されるが、固体燃料ICBMはバッテリーのように燃料を常時装着して即座に発射するので事前に把握することが容易でなく、より脅威的だ。韓米の北朝鮮に対する「キルチェーン(先制攻撃)」は事実上、その役割を果たせなくなる。

北朝鮮が最近、戦術核弾頭「火山(ファサン)31」の公開と核魚雷の水中爆発試験に続き、今回、固体燃料ICBMの挑発を行ったのも、米国に対する奇襲核攻撃能力の急進展を誇示するための武力示威だろう。ただし、今回の発射は、3段式固体推進ICBMを実験する前に2段式推進体実験を行った可能性があるため、今後、追加の発射実験を通じて多弾頭能力まで備えた米本土全域の打撃能力を実証することに力を入れるものとみられる。

このようなミサイル能力の高度化は、韓米共同の対応を呼ぶ。短距離から長距離まで固体燃料ベースの核ミサイルで武装し、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の命令でいつでもどこでも発射できる体制なら、もはや先端の監視・偵察能力を誇ってのんびりしているわけにはいかないからだ。さらに、固体燃料ICBMは米国も遠く海を越えた韓半島のことではなく、足元についた火だ。それだけに警戒心と切迫感を持ち、断固たる対応策を講じるしかない。

韓米は今月末の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の米国への国賓訪問を機に、北朝鮮核に対する拡大抑止の実行力を飛躍的に高める方策を講じている。戦略爆撃機や空母などの米国の戦略兵器の韓半島の展開による武力示威だけでは限界があるため、韓米が共同で核兵器運用を企画・実行する堅固な常時核抑止体制を整える必要がある。そうすれば、無謀な核挑発は金正恩政権の終焉を招くという厳しい警告も通用する。