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「共同富裕」強化で中国の富裕層、海外移民ラッシュ

「共同富裕」強化で中国の富裕層、海外移民ラッシュ

Posted January. 27, 2023 08:25,   

Updated January. 27, 2023 08:25

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中国政府が新型コロナウイルスの感染対策として続けてきた「ゼロコロナ」政策を昨年12月に緩和したことで海外への出国が自由になった富裕層が、次々に中国を離れていると、ブルームバーグ通信が25日、報じた。ゼロコロナの施行で当局の強力な統制と抑圧を経験したうえ、3期目の習近平国家主席が富裕層を締めつける「共同富裕(貧富の格差を是正し、すべての人が豊かになること)」基調を強化するという懸念が大きくなっているためだ。

不動産企業「Juwai IQI」によると、今年に入って現在までに中国人の海外不動産買収の問い合わせは昨年より55%増えた。中国の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」などのソーシャルメディアで「移民」に関する検索やキーワードも5倍増加した。カナダの移民問題専門の法律事務所「ソビロフス」は、「過去6ヵ月間、中国顧客の移民相談予約が急増した。できるだけ早く移民するという人が多い」と話した。

脱中国ラッシュは中産層にも広がっている。香港の移民専門弁護士デニー・コー氏は、「本当の富裕層らは長年にわたって計画を立てている。現在移民を考える人は、中産層、企業役員など富の規模が比較的小さい」と診断した。

スイスの投資銀行クレディ・スイスの昨年9月の報告書によると、5千万ドル(約600億ウォン)以上所有する中国の富裕層の数は3万2千人で、米国に続き世界2番目に多い。海外移住を望む中国顧客をつかむために世界的な金融会社の動きも早まっている。JPモルガン・チェース、ジュリアス・ベアなどは、米サンフランシスコとスイスのチューリッヒに中国語ができる職員を配置し、中国顧客の攻略に乗り出した。

富裕層の脱中国が人民元の価値が下がる圧力として作用するという分析も出ている。フランスの投資銀行ナティクシスは、コロナ禍の前にも中国の富裕層の離脱で年間約1500億ドル(約180兆ウォン)の資本流出が発生したが、今年さらに増えると予想した。


金祺容 kky@donga.com