Go to contents

現代自動車、水素自動車事業を見直してトラックの普及に集中

現代自動車、水素自動車事業を見直してトラックの普及に集中

Posted January. 11, 2023 08:44,   

Updated January. 11, 2023 08:44

한국어

 

現代(ヒョンデ)自動車グループは、未来の成長エンジンとして選んだ水素自動車事業の方向性を「商用車」中心に見直している。性能が検証された水素電気トラックの普及に拍車をかけることに、より集中することにした。乗用車部分の第3世代の燃料電池システムの開発が遅れ、新車開発計画が揺れたのも、このような戦略修正の背景となっている。

10日、業界によると、現代自動車グループの鄭義宣(チョン・ウィソン)会長は3日、新年の辞で水素事業を大きく取り上げなかった。ただ、タウンホールミーティングの当時、現代自動車の張在勳(チャン・ジェフン)社長が来年の事業計画を紹介し、「中長期的に水素生態系に対するイニシアチブ(主導権)を確保し、水素生産と流通などバリューチェーン(供給網)全般を構築する」と言及した程度だ。1年前、鄭会長が新年の辞を通じて、直接「(水素が)多様なモビリティと産業分野の動力源として活用できるようにする」と指示したのとは対照的だ。

現代自動車グループは、水素自動車部門において世界自動車メーカーの中で先頭グループに挙げられる。市場調査機関SNEリサーチによると、昨年1〜11月のグローバル水素自動車の販売台数は計1万8457台だった。このうち現代自動車のネッソが1万700台で、58.0%を占めた。2位の日本トヨタのミライが3238台(17.5%)で、残りのブランドの中には1000台を超えた車種はなかった。

特に商用車分野では、世界初の商用水素電気トラック「エクシエント」を前面に出して、事実上市場を直接創出しているという評価を受けている。現代自動車グループは昨年12月、水素電気トラック・エクシエントの韓国国内での公式販売を開始した。同月、水素事業ブランドのHTWOを通じて、ドイツ・ファウングループの子会社エンジニアズと、商用車量産のための水素燃料電池の供給契約を交わした。同時期、イスラエル市場への進出も発表した。

自動車業界の関係者は、「現代自動車グループは、技術力や量産能力、性能検証などを全て終えた唯一の自動車メーカーだ」とし、「同様の事業を推進する他社の牽制はあるが、短期間で逆転しにくい水準の格差がある」と分析した。さらに、欧州連合(EU)が2027年までに水素ステーションの設置間隔を150キロから100キロへと強化を義務付けたことや、米政府の95億ドル規模の水素ハブ建設計画などの政策環境も、現代自動車に有利な状況だ。

しかし、現代自動車グループは、水素自動車関連事業計画を全面的に見直し、雰囲気の転換に乗り出している。現代自動車グループは昨年末、役員人事を通じて、これまで水素事業を担当してきた副社長級水素燃料電池の開発センター長と水素燃料電池の事業部長の両方を交代した。現代自動車の内外からは、第3世代の水素燃料電池システムの開発遅れをめぐり責任が問われたという分析が出ている。

現代自動車グループは2021年、水素社会の未来像を提示した「ハイドロジェンウェーブ」のイベントで価格は半分に下げ、耐久性と出力を強化した水素燃料電池システムを2023年までに発売すると宣言した。しかし、開発が難航し、水素関連ロードマップ全体が3〜4年ほど遅れた。ネッソの後続モデルの発売時期も遅れざるを得ない。

自動車業界では、現代自動車グループが水素事業と関連して選択と集中に乗り出したものと見ている。水素電気トラックは事業性が高く、政策の恩恵が期待されるだけに量産と普及に集中するが、乗用車は商品性確保のための研究開発(R&D)に優先的に集中するという。自動車業界の関係者は、「現代自動車グループが、電気自動車で成果を出し、水素乗用車の開発には相対的に余裕ができたのも、このような戦略修正の背景の一つだ」と伝えた。


李建赫 gun@donga.com