Go to contents

「モンスターICBM」の前に娘を立たせた金正恩氏、後代に孤立と貧困だけを残すだろう

「モンスターICBM」の前に娘を立たせた金正恩氏、後代に孤立と貧困だけを残すだろう

Posted November. 21, 2022 08:18,   

Updated November. 21, 2022 08:18

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が18日、「モンスターICBM(大陸間弾道ミサイル)」と呼ばれる火星(ファソン)17の試射を幼い娘と共に視察する姿が公開された。金正恩氏の子どもが公開の席上に姿を現したのは初めて。朝鮮中央通信が公開した3枚の写真には、試射を控えたミサイルの前で一人の少女が金正恩氏の手をしっかり握って歩く姿などが写っている。9歳の2番目の娘、「キム・ジュエ」と推定される。

北朝鮮がICBM発射現場にいわゆる「白頭(ペクトゥ)血統」を帯同させたのには、いくつかの目的があるだろう。発射成功の宣伝効果を極大化し、北朝鮮住民に向けて核武力開発が「政権」ではなく「後代」の安全保障のためであることを強調する狙いがうかがえる。労働新聞が「後代の明るい笑顔と美しい夢」を云々し、核兵器強化の意欲を明らかにしたのも同じ脈絡だ。

朝鮮中央通信によると、今回高角で発射された火星17は、最高高度6049キロまで上昇し、約1千キロ飛翔したという。正常角度(35~45度)で発射する場合、射程距離が1万5千キロ以上と推定され、米本土全域が射程圏に入る。多弾頭搭載型でワシントンやニューヨークなど複数の都市を同時に攻撃することもできる。大気圏再突入時に発生する高熱に耐える技術まで確保すれば、文字通り「モンスターICBM」が完成することになる。

金正恩氏が、このような恐るべき核武力示威の現場に妻の李雪主(リ・ソルジュ)氏だけでなく10歳にもならない幼い娘まで帯同したこと自体が不気味だ。「惑星最強のICBM保有国」、「核先制攻撃権は米国の独占物ではない」などと表現した労働新聞の報道のように核武力完成に対する自信の発露なのか、娘の命まで担保にして「行けるところまで行け」という崖っぷちの戦略を繰り広げるのか。

明らかなことは、2018年に訪朝したマイク・ポンペオ米国務長官(当時)に「私の子どもが生涯、核を抱えて生きていくのを望まない」と話したという金正恩氏が誤った判断の悪循環に陥っているということだ。核開発が北朝鮮経済に及ぼす機会費用は年1兆ウォン以上だという。数年間マイナス成長を続けている北朝鮮には耐えがたい水準だ。非核化なく対北朝鮮制裁が解除されることはない。対北朝鮮拡大抑止の実行力の強化により、北朝鮮はますます国力消滅の泥沼にはまることになる。金正恩氏が子どもを含め後代に孤立と貧困だけを残すということを悟ることを望む。