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テディベアの裏

Posted October. 27, 2022 08:24,   

Updated October. 27, 2022 08:24

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テディベアは世界の人々から愛される熊のぬいぐるみだ。テディという名前は、セオドア・ルーズベルト元米大統領に由来する。1902年に狩りに出たルーズベルトは、ハンターたちが熊を捕まえ、銃で撃つことを提案したが、フェアプレイではないとして拒否した。この出来事を新聞で知った店の主人が、自分の店で売る熊のぬいぐるみにルーズベルトのニックネームである「テディ」を付けたことでテディベアが誕生した。

テディベアは120年もの間、柔らかくかわいらしいルックスで全世界の子どもたちの心をひきつけただけでなく、漫画、童話、小説、映画、アートなど様々な分野でインスピレーションを与えた。ノルウェーの芸術家フレデリック・ラドゥームも、テディベアで作品を作った。身長が3メートルにもなる巨大な青銅のオブジェだ。このテディベアは2013年、オスロ近郊のシステフォス彫刻公園内に設置されるやいなや、観覧客の人気を集めた。だが、優しく見える熊の裏を見ると驚くことになる。熊の尻の下から人間の2本の足が出ているためだ。熊の下敷きになって圧死した人間の足だ。肉重な体のテディは、周りを気にも止めず快適な場所に座ってしまったのだ。誰が敷かれて死のうが関係ない。ただ目の前で喜んでくれる人だけを見ている。

ラドゥームは、この熊に「快楽適応の獣(Beast of the Hedonic Treadmill)」という名前を付けた。「快楽適応」とは、いくら幸せな状態でもすぐに適応し、より多くを望むようになる心理をいう。麻薬中毒のように快楽にも耐性があり、ますます大きく強い快楽を求めるようになる。そのため、この熊はあどけない表情を保ち、幸せを続けるためにもっと多くの犠牲を必要とするだろう。

テディベアはすでに世界中に溢れているが、世界の至る所で依然として生産され、人気があり売れている。ラドゥームは、テディベアを消費資本主義の象徴として表現したようだ。より大きな慰めと幸福感を得るために、消費を煽り続ける。そして幸せに偽装された消費主義の裏を、窒息死の危機に陥った不幸に適応した人々の暮らしも見るよう勧めているようだ。