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パレスチナ女性ラッパーMakimakkukさんが初来韓公演、「空襲の恐怖に襲われなくて音楽をしている」

パレスチナ女性ラッパーMakimakkukさんが初来韓公演、「空襲の恐怖に襲われなくて音楽をしている」

Posted October. 04, 2022 09:12,   

Updated October. 04, 2022 09:12

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「先日もパレスチナではイスラエル軍の攻撃で市民4人が命を失いました。その中には6歳の子供もいました。私たちは『恐怖の都市』に住んでいます。恐怖に襲われたくなくて音楽をしているのです」

パレスチナ人の女性ラッパーでヒップホップミュージシャンのMakimakkukさん(本名マズダル・ニジム=34)が初めて来韓した。先月30日、仁川(インチョン)国際空港で会った彼女は、「初めての韓国公演にとてもわくわくしているが、イスラエルの空襲でパレスチナは超緊張状態」と複雑な心境を語った。しかし、プロらしく1日に江原道鉄原(カンウォンド・チョルウォン)で開かれた「DMZピーストレインミュージック・フェスティバル」の舞台に立ち、素敵なパフォーマンスを披露した。

「パレスチナでヒップホップとエレクトロニックジャンルをする女性アーチストは大変珍しいです。保守的な雰囲気のせいで否定的な視線が多いので容易ではありません。しかし、一度もひるむことなく路上や食堂、クラブで公演を続けてきました」

Makimakkukさんが国内と海外で注目を集め始めたのは2018年。音楽や公演の世界的なオンラインストリーミング・プラットフォームである「ボイラールーム」がパレスチナの若手アーチストたちにスポットライトを当てたのだが、そこに彼女も含まれた。Makimakkukさんは、パレスチナ自治政府の臨時行政首都であるラマラに滞在することが多いため比較的安全な方だが、彼女の音楽には「中東の火薬庫」と呼ばれるパレスチナの不安が色濃くしみ込んでいる。

「パレスチナ人は出入国が自由でなく、海外でのコンサートはとても大変です。海外で私たちの音楽があまり知られていない理由の一つです。パレスチナ音楽には独特のアイデンティティがあります。ほとんどのことはタブー視されているため、直接的な表現を使ってはいけないことが多いです。そのため、歌詞は重義法が用いられたり隠喩が多いです。それが『ラマラヒップホップ』の魅力になったのです」

Makimakkukさんは20代初めから韓国文化に深い興味を持っていたため、今回の訪韓に期待が大きかったという。彼女は「朴賛郁(パク・チャンウク)監督の映画『オールドボーイ』を見てから、ずっと韓国に興味を持つようになった。一週間で行きたい場所もリストアップしてきた。イスラエル政府が出国を制限するのではないかと心配したが、無事に来られて嬉しい」と笑った。

「私の夢は『国境のない世界』です。両親の世代だけでもヨルダンとシリア、パレスチナ、レバノンの住民が自由に往来しました。今は想像世界でだけ可能な話です。内戦と葛藤が絶えないので未来はいつも不安です。地球上のすべて国境が消え、すべての場所で正義と人権が保障される世の中が訪れればどんなに幸せでしょうか。私の音楽が人々の壁を崩すのに少しでも役に立つことを願っています」


金哉希 jetti@donga.com