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大企業も非常経営、「危機の可能性は低い」という政府の認識は甘い

大企業も非常経営、「危機の可能性は低い」という政府の認識は甘い

Posted October. 03, 2022 08:49,   

Updated October. 03, 2022 08:49

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ハンファグループの大宇(テウ)造船海洋の買収に反発してきた大宇造船労組が、現経営陣の任期保障を売却要求条件に含めたことが確認された。与党「国民の力」の議員が入手して公開した労組の「売却発表関連の代議員懇談会共有」の資料には、職員の雇用保障などと共に経営陣の任期保障と政府の天下り禁止が4大要求事項として明示されている。今年3月に前政権が任命した朴斗先(パク・ドゥソン)代表などの現経営陣の交替を、現政権の「天下り人事」と見なすという意味だ。

一般的にずさんな経営が問題になって会社が買収される状況になれば、経営陣から責任を取って退くのが道理だ。大宇造船は22年間、公的資金の支援と資本拡充などの形で、数兆ウォン台の血税がつぎ込まれた。この1年半だけで2兆3000億ウォン台の営業赤字を出し、昨年6月末現在274%だった負債比率は、1年ぶりに676%に膨らんだ状態だ。経営悪化の責任は、どの企業よりも重い。

最近は、造船業の長期不況が終わり、船舶の新規受注が増えたにもかかわらず、大宇造船が低価格受注攻勢で出血競争を主導したため、韓国造船業全体が損害を被るという指摘まで出ている状況だ。ところが、労組が乗り出して経営陣の任期までを要求する奇異なことが起きている。

労組は、「ハンファは造船業の経験がおらず、当分、造船専門家が経営してこそ効率的だという趣旨だ」とコメントした。「造船専門家」が経営した結果が、今年上半期だけで5700億ウォンに達する営業赤字なのか。それで、「主人のいない会社の大宇造船で、経営陣と労組がどんな関係だったのでこういう要求をするのか疑問だ」という指摘が出ているのだ。

大宇造船の労組は先月29日から2日間、組合員の賛否投票を通じて、72%の賛成で争議権を確保しておいた状態だ。2008年にハンファグループが買収を推進する時は実態調査ができないよう妨害し、2019年に現代(ヒョンデ)重工業が買収者として出るや、ベルギーのヨーロッパ連合本部まで訪ねて、「買収を許可しないでほしい」というデモをしたことがある。労組が乗り出して売却の妨害になる行動が再び繰り返されてはならない。今回も売却が失敗に終われば、「底抜けの甕」に引き続き血税を注ぎ込むよりは、いっそ清算した方が良いという世論もあるという事実を知らなければならない。