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ドル高で資本流出が始まる、危機の「防波堤」となる外貨準備高は十分か

ドル高で資本流出が始まる、危機の「防波堤」となる外貨準備高は十分か

Posted July. 19, 2022 09:16,   

Updated July. 19, 2022 09:16

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ブルームバーグ通信が17日報じたところによると、今年に入って韓国証券市場から流出した外国人資金は160億ドルで、中国を除いたアジア新興国の中では台湾やインドに次いで3番目に多い規模だった。20年ぶりのドル高を記録し、グローバル資金が為替相場に脆弱なアジア市場から離れている。韓米金利の逆転現象が現れる前なのに、資本流出はすでに始まっている。

最近のドル高は、「スーパードル」「キングドル」という言葉が流行するほど異例の水準だ。グローバルインフレと景気低迷の局面で、米連邦準備制度が金利引き上げに拍車をかけ、世界の資金が代表的な安全資産であるドルに集中しているためだ。その影響で、今年に入って9%以上ウォン安が進み、欧州ユーロと日本円はそれぞれ11%と17%通貨安が進んだ。米国を除いた各国は、輸入物価の上昇によるインフレや資本流出という二重苦に見舞われている。

韓国はウォン安を防御する過程で、外貨の準備高が激減する問題に直面している。6月末の外貨準備高は、1ヵ月前より94億ドル以上減少した。金融危機当時の2008年11月以降、13年7ヵ月ぶりに最大幅に減少した。現在の外貨準備高4383億ドルは、国際通貨基金が勧告する外貨準備高規模である6810億ドルにはるかに及ばない。今月末、米連邦準備制度理事会が金利を大幅に引き上げる「ジャイアントステップ」に踏み切り、韓米金利が逆転すれば、資本流出規模はさらに大きくなりかねない。今の外貨準備高が、通貨危機の防波堤として十分な水準なのか疑問だ。

資本流出が始まった状況で、政府が打ち出した為替対策とは、外国人の国債投資に非課税の恩恵を与える程度だ。米国や英国、ドイツ、フランスなどの主要国がすでに行っている措置を遅ればせながら施行するだけで、外国人資金を引き返すことは難しい。

秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相は昨日、外信とのインタビューで、「資本流出は、金利差のような一つの要因だけで発生しない」と話した。経済の基礎体力を強調した言葉だろうが、韓国が直面している現実は容易ではない。何より上半期の史上最大規模に達した貿易赤字の問題に対する解決策から探さなければならない。今日、ソウルで開かれる韓米財務長官会議で、韓米通貨スワップの締結のための第一歩を踏み出すことも重要だ。韓米金利逆転を控えた今、政府と韓銀は可能な手段を総動員しなければならない。