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来年から予算ダイエット、財政準則の導入をこれ以上先送りするな

来年から予算ダイエット、財政準則の導入をこれ以上先送りするな

Posted March. 31, 2022 08:40,   

Updated March. 31, 2022 08:40

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政府は29日、来年の予算案編成の際に支出の構造調整を通じて10兆ウォンの追加財源を調達することを明らかにした。執行不振事業の削減や様々な基金の統廃合、小中高校の教育財源配分の効率化、防疫用期限付き支出の正常化の4大財政革新案で、文在寅(ムン・ジェイン)政府の拡張財政基調を正常化しようという趣旨だ。来年度の予算案で、現政府が力を入れてきた「韓国版ニューディール」や包容的先導国家転換課題を減らしたり廃棄したりするなど、財政事業の大幅な転換を予告したのだ。

こうした「予算ダイエット」は、ここ数年間、災害支援金や福祉事業などで国家債務が限界に達するほど膨らんだという危機感のためだ。韓国の国家債務について、国際格付け企業であるフィッチは、中期的には国家格付けの圧迫要因になりかねないと懸念するほどだ。今すぐにも問題だが、韓国は今後2025年まで、毎年100兆ウォン以上の赤字が累積する構造的危機に直面している。一度始めた福祉事業が雪だるま式に膨らみ、国の財政を圧迫している。

問題は、支出構造調整そのものが容易ではない上、次期政府の公約実施にも膨大な資金がかかることだ。韓国の1年間の本予算600兆のうち半分は、必ず使われなければならない義務支出だ。それさえも手をつけることができるのが裁量支出だが、その中には国防費などの硬直性支出が多く、規模を大幅に減らすことは難しい。何よりも、尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が公約として掲げた老人基礎年金や兵士給料の引き上げ案に、小商工人向けの50兆ウォン規模の2回目の補正予算にかかる金を、どこから組まなければならないのか分からず、途方に暮れている。いずれも財政投入の水準を判断する明確な基準一つなしに、恣意的に財政事業を増やした結果だ。

国内外の危機が繰り返されている現状の中、このようなやり方では財政赤字を収拾できず、次世代に過度な負担を転嫁することになりかねない。国家債務と財政赤字を一定水準以内に抑える財政準則だけが、放漫な財政運営を防ぎ、補正予算を弾力的に運用できるようにする安全弁の役割を果たすことができる。経済協力開発機構(OECD)36の加盟国のうち、34カ国が財政準則を導入したが、韓国では2020年末、この基準が国会に提出されてから1年が過ぎても、何の消息もない。国の財政を運用する最小限の基準もないまま、財政正常化だけを叫ぶのは空しいばかりだ。