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北朝鮮の挑発対応でカギを握る中国、肩を持つことはもはやできない

北朝鮮の挑発対応でカギを握る中国、肩を持つことはもはやできない

Posted March. 26, 2022 07:28,   

Updated March. 26, 2022 07:28

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が昨日、中国の習近平国家主席と初の電話会談を行った。北朝鮮の「怪物ICBM」の発射の翌日に行われた通話だった。尹氏は、韓半島の安全保障をめぐる情勢と北朝鮮の挑発への対応策について習主席と協議した。北朝鮮は同日、ICBMが「火星17」型であることを確認し、「信頼できる核戦争への抑制手段」として完成したと主張した。

「怪物ICBM」の発射でレッドラインを超えた北朝鮮は、核の脅威を露骨にエスカレートさせている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、「勇敢に打て」と書いた直筆命令書を通達し、平壌(ピョンヤン)の順安(スンアン)飛行場を訪れ、発射の過程を見守った。北朝鮮メディアはこれを報じながら、「核」という単語を13回使った。核実験などの追加挑発を、いつでも続ける構えだ。

北朝鮮の妄動を阻止しなければならない中国の対応に、失望させられたのは事実だ。中国は一昨日、北朝鮮のICBM発射について、「関連各国が対話と交渉の正しい方向性を堅持することを望む」とコメントした。糾弾どころか、周辺国に責任を転嫁するようなニュアンスだ。中国は、国連安保理で当然出さなければならない声も出していない。中国が新冷戦の気流に便乗し、北朝鮮に挑発の余地を与えたという批判は避けられない。

中国が、北朝鮮問題で尹氏と協力する可能性は高くない。中国は、「堂々とした外交」を明らかにした尹氏の対中政策に不満を示してきた。だからといって、中国が北朝鮮の核挑発までただ幇助する余裕はない。北朝鮮の核技術の高度化は、政権3期目の習主席にとって政治的負担であり、安保脅威だ。周辺国の核拡散を煽り、地域不安定を加速化させる要因だ。

中国は、今からでも北朝鮮が挑発を中止し、対話に応じるよう圧力をかけなければならない。まず、国際社会の北朝鮮制裁に反する態度から変えなければならない。国連安保理決議第2397号は、北朝鮮のICBM発射時に自動的に追加制裁を課す「トリガー条項」を盛り込んでいるが、これも決議案が可決されてこそ可能だ。中国の参加は、国際社会の一員として当然負うべき義務だ。韓国の次期政府も、発足直後に中国と早期に実務協議ができるよう準備しなければならない。北朝鮮の核阻止は、韓中両国の国益のかかった共通分母であり、今後の関係を左右する重要な懸案だ。