Go to contents

揺るがない初心

Posted January. 14, 2022 08:36,   

Updated January. 14, 2022 08:36

한국어

官職の代わりに隠居を選んだ人生があまりにも風変りだと思ったのか、明け方早々駆けつけてきた。隣の農夫は世の中との疎通を勧めるが、詩人の「隠居の言い訳」ははばかるものがない。遠回しには言うが、頑固だ。普通の人生とは違う自分の逸脱を説得するのに、この程度の防御体制は必要だったはずだ。

詩人が借用したのは、屈原の「漁父辞」の話し方と論理。楚の朝廷から追い出された屈原が憔悴した姿で徘徊すると、漁師がその理由を尋ねる。彼の答えはこうだった。「世の中がすべて濁っていても私だけは潔白で、世の中がすべて酔っていても私だけは覚めているので、そのために追い出されましたよ」。漁師が言う。聖人は外聞にこだわらず、世の中の成り行きに従うはず、世の中が濁っていたら一緒に泥沼をかき回せばいいのではないかと。「一人で気取ってはいけない」という叱咤だった。叱咤の代わりに農夫は穏やかに勧めるが、詩人の誓いは変わらない。「私の意に逆らうならば、さぞ迷うだろう」。初心は微動だにしない。