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勇敢だった少女

Posted December. 09, 2021 09:09,   

Updated December. 09, 2021 09:09

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雪の降る広場で裸の若い女性が死んでいる。右側には十字架が立っていて、槍を持った兵士がその前にいる。背景には町の人々がいて、彼女の周りには鳩が集まっている。いったい彼女に何があったのか。

スペインがローマ帝国の統治下にあった304年、バルセロナの近郊にエウラリアという名前の13歳の少女が暮らしていた。貴族の家庭に生まれた敬虔なカトリック信者であり、非常に頭が良く、しっかりした子どもだった。当時、ローマ皇帝は自身を崇拝しない多くのカトリック教徒を弾圧した。エウラリアはこれに抗議し、堂々と対抗したことで、おぞましい刑罰を受けた。ムチ打ちのような拷問はもとより、裸でガラスや釘などが入った樽の中に入れられ、下り坂を転げ落とされた。奇跡的に傷ひとつなかったため、十字架にはりつけにされた。死の瞬間、雪が降って裸を覆い、口からは鳩が飛び出して空に昇ったという。

19世紀の英国の画家、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスは、エウラリアの話を大胆に描いた。エウラリアの体は画面の下に短く縮めて描かれ、解かれた長い髪と裸は白い雪と対照をなした。町の人々を遠い背景の中に描き、鑑賞者の視線を幼い聖女の体に集中させた。殉教者の体を扇情的で官能的に描いたという批判を避けるためか。画家はエウラリアの裸の一部を、血を象徴する赤い布で覆い、周囲には聖霊を象徴する鳩の群れを描いた。また、兵士が持つ槍は十字架に向けられ、エウラリアを殺害したローマ軍の残酷性と暴力性を強調した。

暴圧の犠牲になった幼い殉教者は、後日バルセロナの守護聖女となった。ウォーターハウスは勇敢だったエウラリアの死を私たちの眼前に見せ、こう問いかけているようだ。あなたは信念のために命をかけたことがあるか。

美術評論家