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ご飯は天だ

Posted November. 22, 2021 08:40,   

Updated November. 22, 2021 08:40

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「天地万物はすべて天を祭っている。したがって、以天食天は宇宙の当然の理である」(東学2代目教祖の崔時亨(チェ・シヒョン)の言葉)。

一つの文章を選ぶのにずいぶん悩んだ。小説や詩などの文学作品から専攻書籍に至るまで、数多い本の中の文章が頭に浮かんだ。しかし結局最後に選んだのは、1885年に東学教祖の崔時亨が行ったという「以天食天」という言葉だ。簡単に説明すると、「ご飯は天だ」ということだ。

この言葉は、東学革命は結局空腹から始まったという意味であり、東学の主体だった民衆の心を動かしたのがご飯だったという意味だ。お腹がすいた民衆にとって、ご飯は天そのものだったはずだ。天を奪われた民衆は、動学を起こさざるを得なかった。それほど我が民族にとって、ご飯は天のように重要な存在だった。それで私たちは「ご飯のパワーで生きてきた」と言い、いつも「ご飯は食べた?」と聞き、寂しい時はお母さんの温かいご飯一杯を懐かしむ。

コメが余って問題になっている今でも、ご飯は天という言葉は有効だ。まさに韓国料理の根本がコメだからだ。ご飯がないなら、私たちが誇りに思うキムチを、カンジャンケジャンを、ナムルを、味噌チゲを食べることができるだろうか。韓国のアイデンティティをよく表す韓国料理は、結局「ご飯」から出発する。30代前半、韓国料理に魅了され、ずっと韓国料理に閉じ込められて生きてきた。私の一生の職業である韓国料理の勉強も、結局ご飯から始まったと言える。これまで野菜、肉、海の料理、そして発酵料理まで、疲れずに韓国料理について様々な文章を書くことができた根底にご飯があった。そのため、韓国人の食習慣が小麦粉中心に変わり、米の消費量が過去最低値というニュースを耳にするたびに、心の中で心配になったりする。ご飯が消えるとき、韓国料理が消えるのではないかという恐怖を感じるからだ。

私は、ご飯が消えることは、民族のアイデンティティが消える日だと考える。そうだ。ご飯が天だ。