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最後の一発、「天才弓師」の心臓は狂ったように動いていた

最後の一発、「天才弓師」の心臓は狂ったように動いていた

Posted July. 28, 2021 08:59,   

Updated July. 28, 2021 08:59

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「ファイト」を叫び、2020東京五輪アーチェリー混合戦と男子団体戦を制して2冠を果たした「天才弓師」金済徳(キム・ジェドク=17・慶北一高)。

緊張感あふれる状況下でも機械のように10点の的に矢を射た彼も、心臓がときめく「人間」だった。27日に開かれたアーチェリー個人戦からは五輪史上初めて選手たちの心臓搏動数を生放送で中継し始めた。完璧な静けさの中で弓を引く選手たちだが、その中の微細な緊張感とアドレナリン変化をそのまま見せようという試みだ。

金済徳は同日、男子個人2回戦でフローリアン・ウンルー(ドイツ)にセットスコア3-7で負けて敗退した。心拍数は、金ジェドクが試合中に感じた緊張感をそのまま表した。金済徳は3発連続で10点を放った第1セットで心拍数125を記録した。しかし、第3セットの最初の1発目で8点を放った後、心拍数が140キロを超え、第3セットを奪われた後、第4セットでも相次いで8点を打つと心拍数は161キロまで上がった。最後の第5セット、19-19同点の場面で放った最後の一発。心拍数が170まで上昇し、矢は9点に入った。ウンルーの心拍数も163まで上がったが、最後の矢を10点に入れて勝利を決めた。

トム・ディレン世界アーチェリー連盟(WA)会長は、「アーチェリーをテレビで見ると、金メダルを取るために10点を当てなければならない選手たちの緊張感は感じにくい。選手たちの生き生きとした緊張感を伝えたい」と話した。心拍数は、選手たちから1~2メートル離れたところに設置されたカメラ4台が、血管の収縮によって変わる微細な身体変化を根拠に算出する。選手の心拍数はテレビだけで送られ、競技場の中には公表されない。選手の注意力を分散させることができるからだ。


任寶美 bom@donga.com